用語集

ガラス転移温度」とは?

別名・英語表記:ガラス転移点

これを下回ると分子運動が止まり氷の再結晶が進みにくくなる温度。凍結保管温度の目安。

ガラス転移温度とは、これを下回ると分子運動が実質的に止まり、氷の再結晶が進みにくくなる温度のことです。凍結保管温度の目安となるだけでなく、凍結乾燥の工程設計でも棚温度や真空度の上限を決める基準になるため、製剤の処方と製造プロセスの両面に深く関わります。

この温度を超えると何が起きるか

ガラス転移温度より高い温度帯では氷が育ち続けます。たとえばDMSOが入った凍結細胞製剤であっても、ガラス転移点(おおむね−130℃前後)より十分低い温度で保たないと、保管中に氷の再結晶化が進み品質が劣化します。マイナス80℃のディープフリーザーはガラス転移温度より高く、長期保管には向きません。また、ドライアイス(約−78℃)による輸送もガラス転移点より高く、細胞治療製品の長距離輸送には不十分なことが多いとされています。

凍結乾燥でどこに効いてくるか

凍結乾燥では、一次乾燥中に棚温度をガラス転移温度(Tg′)やコラプス温度を超えさせてしまうと、ガラス状マトリックスの構造が崩れます。このためサイクル設計の大前提として、Tg′・崩壊温度・共晶点を実測し、棚温度と真空度をその範囲に収めることが求められます。凍結の速さ、一次乾燥条件、二次乾燥での残存水分の追い込みまで、すべてをガラス転移温度・コラプス温度に合わせて一体で組むことが基本とされています。なお、トレハロースはガラス転移温度が比較的高く乾燥品で扱いやすいといった特徴が知られており、保護剤の選択もこの温度に直結します。

実務上の保管温度との対応

水のガラス転移温度はおおむね−130℃付近とされており、長期保管にはこれを下回る温度が必要です。実務上は液体窒素の気相(おおむね−150℃以下)での保管・輸送が一般的で、液体窒素保管タンクで管理されます。細胞治療製品はガラス転移温度より低い超低温まで凍らせることで代謝を止め、品質を保ったまま保管・輸送するというのが基本的な考え方です。

この定義はProglenth編集部が一般的・基礎的な内容として整理したものです。実際の管理基準・要件は製品・企業・各極の規制により異なります。 正確な運用は各極の薬局方・ガイドライン(ICH/GMP等)やメーカーの一次情報をご確認ください。

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