用語集

凍結保存」とは?

別名・英語表記:cryopreservation

生きた細胞を低温で止めて保管し、後で融解して使えるようにする技術。

凍結保存とは、生きた細胞を低温下で代謝を止めた状態で保管し、後から融解して使えるようにする技術です。細胞製品では無菌ろ過が使えないという制約があるうえ、凍結保護液・凍結速度・コールドチェーンのすべてが解凍後の細胞品質に直結するため、製造工程の中でも特に管理項目が多い工程のひとつです。

新鮮輸送との対比で理解する

凍結保存は「新鮮輸送(冷蔵)」と対をなす選択肢として議論されます。冷蔵での新鮮輸送と比べると、凍結保存は制御速度凍結によって緩やかに凍らせ、液体窒素気相などで保管したうえでドライシッパーで輸送するという一連の工程が必要になります。品質と時間の両立という観点では、凍結保存はコールドチェーンの制約と表裏一体であり、保管・輸送・解凍後品質をひとつながりのシステムとして設計することが求められます。

凍結保護液に使うDMSOの扱い方

凍結保存液はDMSOを中心に、アルブミン等のタンパク質と等張の電解質基剤で組み立てます。DMSOは細胞を凍結ダメージから守る一方で、細胞にも患者にも毒性を持つため、使用量は最小限に抑えることが設計の基本方針となります。凍結保護液の組成は容器選択やコンテナ完全性、解凍後品質とも密接に関係するため、製剤設計全体の中で整合させる必要があります。

セルバンクとしての凍結保存の役割

凍結保存はCAR-T等の細胞治療製品の充填・製剤工程だけでなく、製造の起点となる細胞株管理にも使われます。宿主株はマスターセルバンクとワーキングセルバンクの二層構造で凍結保存され、ロット間の再現性の出発点をそろえる役割を担います。製造に使われる細胞はすべてセルバンクとして凍結保存されたものを基盤としており、凍結保存の品質管理はバイオ医薬品全体の一貫性にかかわる工程です。

この定義はProglenth編集部が一般的・基礎的な内容として整理したものです。実際の管理基準・要件は製品・企業・各極の規制により異なります。 正確な運用は各極の薬局方・ガイドライン(ICH/GMP等)やメーカーの一次情報をご確認ください。

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