「吸収率(Fa)」とは?
別名・英語表記:Fa
消化管の管腔から腸上皮の細胞内へ取り込まれた薬の割合。溶けにくさや膜の通りにくさで下がる。
別名・英語表記:Fa
消化管の管腔から腸上皮の細胞内へ取り込まれた薬の割合。溶けにくさや膜の通りにくさで下がる。
吸収率(Fa)は、飲んだ薬が腸の管腔から腸上皮細胞へ取り込まれた割合を指します。経口バイオアベイラビリティ F はFa・Fg・Fhの掛け算で決まるため、Faが良好でも残り二つで削られれば最終的な曝露は低くなります。「よく吸収されているのに効かない」という現場の疑問は、この三分解の視点で初めて読み解けます。
経口バイオアベイラビリティ F は、腸管吸収率 Fa、腸壁通過率 Fg、肝通過率 Fh という三つの通過率の掛け算として分解できます。たとえばFa=0.9、Fg=0.8、Fh=0.5のとき、F=0.9×0.8×0.5=0.36となり、飲んだうちの約36%しか体循環に届きません。Faがほぼ1に近くても、FgとFhがそれぞれ削るため最終的な曝露は大きく下がります。逆にいえば、「曝露が低い原因はどこか」を突き止めるには、FをFa・Fg・Fhの三つに切り分けることが出発点になります。
Faが下がる原因をたどると、多くは「溶けない」か「膜を通れない」のどちらかに行き着きます。溶けにくさがFaの頭打ちを招くケースでは、塩の形を変える、結晶を微粒子化・非晶質化する、可溶化剤や固体分散体を使うなど、製剤でFaを底上げするアプローチが取られます。また、脂溶性の高い薬では食後の胆汁分泌が溶解を助けてFaが上がり、曝露が増えることもあります。Faを規定する要因の整理に用いられるBCSは、あくまでFaを支配する軸であり、初回通過にあたるFgやFhは別の軸である点も押さえておく必要があります。
注意したいのは、Faが化合物固有の一定値ではないことです。食事条件や動物種を変えると、Faは動きえます。腸からの取り込みを試験管内で見積もる評価系としてはCaco-2透過性のPappが用いられており、in vitro段階でFaを予測するための手がかりになります。現場で「よく吸収されているのになぜか曝露が低い」という困りごとが生じたとき、FaとFg・Fhのどこで削られているかを切り分けて初めて、次の一手——製剤改善なのか、代謝阻害なのか——が決まります。
この定義はProglenth編集部が一般的・基礎的な内容として整理したものです。実際の管理基準・要件は製品・企業・各極の規制により異なります。 正確な運用は各極の薬局方・ガイドライン(ICH/GMP等)やメーカーの一次情報をご確認ください。