用語集

多分散性」とは?

別名・英語表記:PDI

粒子径分布の広がりを表す指標。DLSで会合や凝集の傾向を早期に捉えるのに使う。

PDI(多分散指数)は、粒子径の分布の広さを表す無次元の指標です。mRNA-LNPの品質規格では粒子径と並んで必ず記載される数値であり、製造条件のわずかなばらつきがPDIに現れるため、プロセスの異常を早期に察知する窓口になります。

混合速度との関係で理解する

PDIの大小は、LNPを形成するときの混合の均一さと直結しています。脂質のエタノール相と核酸の酸性水相がゆっくりだらだら混ざると、早く固まり始めた場所と遅れた場所ができ、粒の大きさがばらつくためPDIが上がります。逆に、流路全体で一斉に瞬時に水と出会わせれば、すべての粒が同じ条件で形成されるので粒が揃い、PDIが下がります。つまりPDIは、混合がどれだけ速く均一だったかを事後的に示す指標でもあります。

粒子径・封入率と並べて読む理由

PDIは単独で判断するよりも、粒子径や封入率と合わせて見るのが実務の定石です。製造条件が崩れると粒子径・PDI・封入率が同時に動くことが多く、これらを突き合わせることで変調の原因がプロセスのどこにあるかを推定しやすくなります。また、粒子径・PDI・封入率はいずれも体内分布や効き目、免疫応答に関わる重要品質特性(CQA)であり、スケールが変わってもこれらを一貫して作り込めることが、開発を先へ進める関門になります。

工程管理での使われ方

DLS(動的光散乱)によるPDI測定は、少量・短時間で実施でき、分布の広さという指標を直接得られることから、日常の工程管理や規格試験の定番として使われています。規格値の設定にあたっては、有効性・安全性が確認されたロットの実績(プロセスケイパビリティ)と測定のばらつきを踏まえ、粒子径・含量と併せて決めるのが基本です。なお、同じ「PDI」という略称でも、タンパク質の折りたたみに関わる酵素「ジスルフィドイソメラーゼ」を指す場合があるため、文脈に応じた読み分けが必要です。

この定義はProglenth編集部が一般的・基礎的な内容として整理したものです。実際の管理基準・要件は製品・企業・各極の規制により異なります。 正確な運用は各極の薬局方・ガイドライン(ICH/GMP等)やメーカーの一次情報をご確認ください。

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