用語集

表面マーカー」とは?

細胞表面に出るタンパク質などの目印。MSCではCD73・CD90・CD105の発現などで細胞を見分けます。

細胞表面に存在するタンパク質などの目印で、細胞の種類や状態を見分けるために使われます。MSCの品質評価では表面マーカーは単独で完結せず、三系統分化能や免疫調節能とあわせて「複数の性質が継代上限の範囲で維持されているか」という文脈で判断されるため、どの指標が工程由来の変動を反映しているかを見極める解釈力も求められます。

MSCの定義でどう位置づけられるか

MSCの最低限の定義として国際的に広く参照される基準は、プラスチック接着性、CD73・CD90・CD105などの表面マーカー陽性かつ造血系・内皮系マーカー陰性、そして骨・軟骨・脂肪への三系統分化能の三点です。表面マーカーはその一要素にすぎず、陽性か陰性かという組み合わせで初めて意味をもちます。適格性の判断も単一の力価値ではなく、表面マーカー・三系統分化能・免疫調節能という複数の性質を継代上限の範囲内で維持できているかで行われます。

工程変動の解釈で注意すべき点

細胞表面マーカーの発現は、純度・不純物・力価といった他の品質特性と同様に、工程条件の変化に敏感に反応する場合と、ドナーなど患者材料の性質を反映する場合とがあります。変更前後で表面マーカーの数値が動いたときに、それが工程由来なのか材料由来なのかを見分けておくことが、変更管理における品質評価の解釈を正確にするうえで重要です。確認手法としてはフローサイトメトリーが用いられます。

MSC以外での使われ方

表面マーカーはMSCに限らず幅広く使われます。細胞分離の場面では、目的細胞または不要細胞の表面マーカーを使ったセルソーティング(フローサイトメトリーや磁気ビーズ)が純化の手段として用いられます。EVの品質評価ではCD9・CD63・CD81などテトラスパニン系の膜タンパク質を陽性指標として確認します。また、オリゴDNAで標識した抗体パネルを使うことで、表面マーカーの情報とトランスクリプトームを細胞単位で紐づけることも可能です。

この定義はProglenth編集部が一般的・基礎的な内容として整理したものです。実際の管理基準・要件は製品・企業・各極の規制により異なります。 正確な運用は各極の薬局方・ガイドライン(ICH/GMP等)やメーカーの一次情報をご確認ください。

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