製剤開発・処方検討
処方や界面活性剤の違いで、粒子の数と種類がどう変わるかを比べます。
- 処方の比較
フローイメージング(FI、flow imaging microscopy)の粒子画像解析装置は、フローセルを流れる液を顕微鏡のカメラで連続して撮影し、写った粒子の数・大きさ・形を画像から求める装置です。
抗体などのタンパク質医薬品では、サブビジブル粒子(目視では見えない100 µm 未満の粒子)のうち光遮蔽法が数え落としやすい透明な粒子を拾い、凝集体とシリコーン油の液滴などを形から見分けるために使います。
薄いフローセルに試料を一定の速さで流し、照らしながら連続して撮影します。画像の中の粒子ごとに、円相当径などの大きさ、円形度や縦横比などの形、明るさを求め、撮影した液量から1 mL あたりの個数を出します。
光遮蔽法と違い、屈折率が水に近い透明な粒子でも輪郭が写るため、タンパク質の粒子を拾いやすくなります。丸く滑らかなシリコーン油の液滴、いびつな凝集体、気泡を形で分けられる一方、分け方は解析の設定で変わるため、判定の条件を決めて記録します。
USP〈1787〉は、光遮蔽法を補う直交法(原理の異なる測定法)としてフローイメージングを解説しています。薬局方の不溶性微粒子試験の上限との比較は、光遮蔽法の数で行います。
基本的には、試料を泡が出ないように混ぜてフローセルに流し、撮影した粒子の画像を分類して数と大きさを求めます。
どちらもサブビジブル粒子を数えますが、大きさの決め方が違うため、同じ試料でも数が一致するとは限りません。
光遮蔽法は規格試験の数を、フローイメージングは粒子の種類と数え落としの確認を受け持ちます。
粒子が遮った光の量から大きさを求める
流れる粒子を撮影し、画像から大きさと形を求める
PSL 標準粒子で校正した相当径
画像の輪郭から求めた径(円相当径など)
小さく見積もる、数え落とすことがある
輪郭が写るため拾いやすい
区別しない
形から凝集体・シリコーン油・気泡を分けられる
不溶性微粒子試験の第1法
光遮蔽法を補う直交法(USP〈1787〉で解説)
出荷試験・規格試験
製剤開発・安定性試験での粒子の特性解析
| 粒子 | 画像での特徴 | 出どころの例 |
|---|---|---|
| タンパク質の凝集体 | いびつな形で、明るさにむらがある | 撹拌、凍結融解、気液界面への吸着 |
| シリコーン油の液滴 | 丸く滑らかで、輪郭がはっきりしている | プレフィルドシリンジの潤滑剤 |
| 気泡 | 丸く、縁が暗く太く写る | 混合、脱気の不足 |
| ガラス・ゴム栓のかけら | 角のある形、ゴムは不透明 | 容器、ゴム栓、充填の工程 |
| 繊維 | 細長い形 | 環境、フィルター、衣類 |
測定範囲と試料量は、各メーカーが公表している値です。
| 測る範囲 | 機種の例 | メーカーの仕様 |
|---|---|---|
| 300 nm〜2 µm | FlowCam Nano | 倍率40倍、最小試料量50 µL |
| 倍率で選ぶ(2・4・10・20倍) | FlowCam 8000 Series | 最小試料量100 µL |
| 2〜70 µm(光遮蔽法と同時に測る) | FlowCam LO | 試料量250 µL〜2 mL |
| 5〜100 µm | iSpect DIA-10 | 試料量50〜1,000 µL |
フローイメージングは、タンパク質医薬品などの粒子の特性解析で使います。
処方や界面活性剤の違いで、粒子の数と種類がどう変わるかを比べます。
保存や撹拌、凍結融解で増える粒子を、種類ごとに追います。
シリコーン油の液滴とタンパク質の粒子を分けて数えます。
規格試験の数に、同じ試料の粒子の画像を添えます。
ガラス・ゴム・繊維などの粒子を画像から見分け、出どころを探ります。
各工程で広く使われる基準法・装置・試薬は、各モダリティの工程マップで製造の流れに沿って確認できます。
掲載情報の確認日:2026年7月(メーカー公開情報をもとに編集部が確認。最新・正確な仕様は各社公式をご確認ください)