医薬品開発 計算ツールCalculator
A280 タンパク質濃度(Beer-Lambert)計算ツール
280 nmの吸光度(A280)から、抗体などのタンパク質濃度をBeer-Lambertの法則で算出します。1%吸光係数(E1%)と光路長・希釈倍率を考慮できます。
タンパク質濃度0.5714mg/mL
式
C[mg/mL] = A280 ÷ (E1% × 光路長) × 希釈倍率濃度 C [mg/mL] = (a280 ÷ (e1 × pathlength)) × dilution。ここでE1%は「1 mg/mL・1 cmでの吸光度」なので、A280÷E1%が1 cm換算の濃度[mg/mL]に相当し、それを光路長で割り、希釈倍率を掛けて原液濃度に戻す。モル吸光係数εM[M⁻¹cm⁻¹]から始め
判定の目安
- A280 が 0.1〜1.0 Abs(希釈後の実測値)推奨直線範囲内記事が示す運用範囲(おおむね0.1〜1.0 Abs)に収まり、Beer-Lambertの直線性が期待できる領域。これはA280測定の運用目安であり、製品ごとの規格値ではありません。
- A280 < 0.1 Abs低吸光・希釈しすぎの可能性直線範囲下限を下回り、ノイズや測定誤差の影響が相対的に大きくなりやすい。希釈倍率の見直しを検討。目安であり合否判定ではありません。
- A280 > 1.0 Abs高吸光・希釈不足の可能性直線範囲上限を超えると吸光度が飽和し濃度を過小評価しやすい。希釈して0.1〜1.0 Absに収める運用が望ましい。目安であり合否判定ではありません。
- 濁り・凝集・製剤添加剤・共存タンパク質が疑われるときA280単独では過大評価のおそれ散乱や抗体以外の吸収を拾うため、320〜340 nmのベースライン差引や、Protein A HPLC等の選択的定量との併用が推奨されます(記事)。DS/DPの含量判定基準は本ツールではなく製品規格・薬局方に従ってください。
一次情報(出典)
注意・限界
- E1%(吸光係数)は抗体ごとに固有で、記事のIgG代表値1.4〜1.5 mL/mg/cmはあくまで典型値。アミノ酸配列から計算した値または実測で確定した値を用いるのが原則で、既定値1.4は概算用。
- 算出値は「280 nmで吸収するタンパク質の総量」であり、抗体以外の共存タンパク質(HCP・培地成分など)や添加剤があると過大評価になり得る。選択的定量にはProtein A HPLC等の併用が必要(記事)。
- 散乱・濁り・凝集の影響を受ける。320〜340 nm付近のベースライン差引などの補正を行わないと濃度を過大評価しやすい。
- 吸光度は直線範囲(おおむね0.1〜1.0 Abs)で測るのが前提。範囲外では希釈倍率の調整が必要。
- 本ツールは標準式に基づく概算であり、DS/DPの含量・力価の合否判定を代替しない。最終判断はICH Q6B等に基づく製品規格・薬局方に従うこと。
- モル吸光係数εMから換算する場合は分子量が必要(E1%=εM÷MW×10)。抗体の分子量は約145,000〜150,000 Da前後だが製品により異なるため、正確な換算には当該分子量を用いること。
この計算の考え方をくわしく:力価・濃度とは?抗体医薬における含量・生物活性の評価