医薬品開発 計算ツールCalculator
HED換算・初回投与量(MRSD)計算ツール
動物のNOAELを体表面積(km係数)でヒト等価用量(HED)へ換算し、安全係数で割って最大推奨開始用量(MRSD)を求めます。
HED(ヒト等価用量)1.622mg/kg
MRSD(最大推奨開始用量)0.1622mg/kg
MRSD(60kg成人の総量)9.73mg
式
HED (mg/kg) = 動物用量 × (動物km ÷ ヒトkm) / MRSD (mg/kg) = HED ÷ 安全係数複数種があるときは、原則として各種HEDのうち最も低い(最も感度の高い)種を採ってから安全係数で割ります。本ツールは1種ずつ計算します。
解釈のヒント(単一の合格ラインはありません)
- 種の選択HEDが最も低い種を採用2種以上でNOAEL・HEDがそろったら、原則HEDが最も低い=最も敏感な種を選びます。ただし機械的な最小値ではなく、ヒトでの動態に近い種か・その毒性がヒトに当てはまりそうかも踏まえて選び直すことがあります。
- 安全係数10標準で進める場面標的や効き方がよく分かり、毒性が可逆で、監視できるなら、標準の10で進めることが多いとされます。
- 安全係数を上げる初回量をさらに下げる急峻な用量-毒性関係/重篤で不可逆・監視困難な毒性/薬理から強い反応が予想される/動物試験の限界でNOAELの信頼度が低い、等では安全係数を上げます。
- PADとの照合薬理下限も見て下方修正MRSDが薬理活性量(PAD=効果が出始める量)に近すぎないか確認します。近すぎるなら開始用量をさらに下げます。初回量は毒性側の上限(MRSD)と薬理側の下限(PAD)の低い方を尊重します。
- 抗体・高リスク生物製剤MABELの併用を検討効き方が強く標的に種差がありそうな抗体では、MABEL(最小予測生物学的作用量)で出した開始量とNOAEL起点値を並べ、より控えめな方を採るのが一般的です(TGN1412の教訓)。
一次情報(出典)
注意・限界
- HED換算は全身性の毒性を前提にした一般ルールです。局所毒性や、体重に比例して用量が決まる場合など、当てはまらない状況もあります。
- 出発点のNOAEL判定には専門的判断が入り、初回量設計の精度をそのまま左右します。
- km係数・安全係数10はいずれも代表値・標準値であり、状況に応じて増減します。この結果は最終的な開始用量を保証しません。
- 本ツールはNOAEL起点のHED/MRSDのみを計算し、PADとの照合・MABELは含みません。教育目的の概算です。
この計算の考え方をくわしく:NOAELからHED換算・MRSDへ:初回投与量を係数で決める