微生物・発酵基礎知識・製造工程

バクテリオファージ療法の製造とは?溶菌増殖から精製・品質管理まで

バクテリオファージ細菌に感染するウイルス。表面に抗体断片を提示させ、その設計図の遺伝子と一体で選抜に使う。(以下、ファージ細菌に感染するウイルス。表面に抗体断片を提示させ、その設計図の遺伝子と一体で選抜に使う。)は、細菌に感染して増殖するウイルスです。抗生物質が普及する以前から細菌感染症の治療に用いられてきた歴史がありますが、抗生物質の登場によって多くの地域で表舞台から退きました。それがいま、多剤耐性菌(AMR)の広がりを背景にふたたび注目を集めています。抗生物質が効かなくなった感染症に対して、細菌そのものを標的に増殖して殺す「生きた治療薬」という発想が、既存の創薬とは異なる可能性を持つからです。

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バクテリオファージ療法の製造とは?溶菌増殖から精製・品質管理まで

ファージ療法の難しさは、有効性の議論だけにあるのではありません。むしろ製造の観点から見ると、ファージは「宿主である細菌を大量に培養し、そこにウイルスを感染させ、菌を溶かして増やす」という、通常の組換えタンパク質遺伝子組換えで微生物や細胞に作らせた目的タンパク質。宿主により折りたたみやコスト、糖鎖が異なる。やワクチンとは異なる工程で作られます。宿主が病原菌でありうること、宿主菌の外膜に由来するエンドトキシングラム陰性菌の外膜由来の発熱性物質(LPS)で、注射剤では厳しく管理し、LAL試験などで測定します。詳しく →や宿主DNA・細胞デブリ破砕で生じる細胞の破片。過度な破砕で微細化すると後段の遠心・ろ過を妨げる。が大量に混入すること、そして最終製剤が「生きたウイルス」であることが、製造・精製・品質管理遺伝子治療製品の品質・安全性・有効性を保証するために製造・出荷の各段階で実施する試験・管理の総体。・規制のすべてに独特の課題を投げかけます。

本稿では、ファージ療法製剤がどのように作られるのかを、上流の宿主菌培養と溶菌によるファージ増殖から、清澄化培養液から細胞や破片を取り除いて目的物質を含む上清を回収し、後工程に渡せる清澄な液にする工程です。詳しく →と下流精製、バイオセーフティ、力価(PFU)・宿主範囲・純度製品にどれだけ目的物質だけが含まれ、不純物や変性体が少ないかを示す指標です。抗体では単量体の割合やサイズの異なる成分の量などを見ます。詳しく →を軸とした品質管理、そしてファージカクテルの設計と規制上の新規性までを、実務者の視点で一段深く整理します。

ファージ療法とは ― 「生きたウイルス」で細菌を殺す

ファージは細菌に特異的に感染するウイルスで、大きく溶菌性(lytic)と溶原性(temperate/lysogenic)に分かれます。治療に用いるのは原則として溶菌性ファージです。溶菌性ファージは細菌に吸着・侵入すると、宿主の複製・翻訳機構を乗っ取って自らのコピーを大量に作らせ、最後に菌体を溶かして(溶菌して)子孫ファージを放出します。この「感染→増殖→溶菌」のサイクルこそが、抗菌作用の本体であると同時に、製造における増殖の原理でもあります。

溶原性ファージは宿主染色体に組み込まれて潜伏する性質を持ち、毒素遺伝子や耐性遺伝子を運ぶ可能性もあるため、治療用としては原則避けられます。製造株の選定段階で、ゲノム配列を確認し、溶原化に関わる遺伝子や既知の毒素・耐性遺伝子を持たないことを見極めることが前提になります。

ファージ最大の特徴は、標的とする細菌の範囲(宿主範囲、host range)が狭いことです。多くのファージは特定の菌種、さらには特定の株にしか感染しません。これは正常細菌叢を巻き込みにくいという利点になる一方で、目の前の患者の起因菌に効くファージをどう選ぶか、複数のファージをどう組み合わせるかという設計課題を生みます。

POINT
治療に使うのは溶菌性ファージが原則です。溶菌のサイクルは抗菌作用の本体であると同時に、製造でファージを増やす仕組みそのものでもあります。宿主範囲が狭いことは、正常菌叢を傷つけにくい利点と、株選定・カクテル設計の負担の両面を持ちます。

上流工程 ― 宿主菌を培養し、感染・溶菌で増やす

ファージは自ら増殖できないため、増やすには生きた宿主菌が必要です。上流はまず宿主菌(プロパゲーション株)の培養から始まります。ここは基本的に微生物発酵大腸菌などの微生物を培養槽で増やし、目的タンパク質などを作らせて回収する製造工程です。詳しく →と同じ枠組みで、シード培養から本培養種培養で増やした細胞を大型の培養槽に移し、目的物質を本格的に産生させる最終段階の培養です。栄養を追加しながら育てるフェドバッチが広く使われます。詳しく →へと菌体密度を上げていきます。菌の増やし方そのものは微生物発酵の製造工程で扱う考え方と共通で、培地設計・溶存酸素培養液に溶けている酸素の濃度。細胞の呼吸を支えるため一定に保つ制御対象。・pH・温度の管理が増殖と後段の感染効率を左右します。

宿主菌が適切な増殖期(一般に対数増殖期)に達したところで、ファージを添加して感染させます。このとき、菌体あたり何個のファージを加えるか(感染多重度細胞1個あたりに接触させるウイルスやベクターの量の比。形質導入の効率やベクターコピー数を左右する条件。MOI細胞1個あたりに接触させるウイルスやベクターの量の比。形質導入の効率やベクターコピー数を左右する条件。=Multiplicity of Infection)が重要な操作変数になります。MOIが低すぎると全菌への感染が広がるまで時間がかかり、高すぎると一斉感染で十分な増殖前に系が破綻することもあるため、ファージと宿主の組み合わせごとに最適点を探ります。

感染後は、宿主の溶菌によって培養液の濁度が低下していきます。この溶菌のタイミングと回収時期の見極めが収量と品質を大きく左右します。溶菌が進むほど子孫ファージは増えますが、同時に宿主由来のエンドトキシン・DNA・タンパク質・細胞デブリ破砕で生じる細胞の破片。過度な破砕で微細化すると後段の遠心・ろ過を妨げる。といった不純物も培養液中に大量に放出されます。回収を遅らせれば力価は上がりやすい一方、不純物負荷と精製の難度も上がるという相反があり、ここを工程として作り込むことが上流設計の核心です。

なお、ファージの増殖は宿主の状態に敏感で、同じ操作でも菌の生理状態が違えば力価が大きく振れます。セルバンク目的物質を作る細胞をあらかじめ大量に凍結保存し、製造のたびに同じ素性の細胞を使えるようにした細胞の在庫(MCB/WCB)のことです。詳しく →由来の均質な宿主菌を使い、感染時の菌体密度・生育相・MOI・温度・時間を規定して再現性を担保することが求められます。宿主菌は最終製剤製剤。原薬を処方・充填して、最終的な投与形態に仕上げた製品。には残ってはならない相手でもあるため、増やす対象(ファージ)と除く対象(宿主)が同じ培養液に共存するという、ファージ特有の構図を常に意識する必要があります。

バイオセーフティ ― 宿主が病原菌でありうる前提

ファージ製造の設計を大きく規定するのが、宿主菌そのもののバイオセーフティです。臨床で問題になる耐性菌(たとえば緑膿菌、アシネトバクター、腸内細菌科の一部、黄色ブドウ球菌など)を標的とするファージを増やすには、その菌または近縁の菌を大量に培養することになります。つまり、製造施設のなかで病原性を持ちうる細菌を意図的に増やす場面が生じます。

このためファージ製造では、扱う宿主菌のリスク群に応じた封じ込め(バイオセーフティレベル)が前提になります。可能であれば、病原性や毒素産生能を低減した近縁の代替宿主・実験室株をプロパゲーション株として用いることで、増殖効率を保ちながらリスクを下げる設計が検討されます。標的株そのものを増やさざるを得ない場合は、封じ込めと作業者保護、廃棄物の不活化ウイルスの感染性を失わせること。低pH保持や溶媒/界面活性剤処理で、エンベロープウイルスに効きやすい。を含めた運用が必要です。

宿主菌が持ちうる病原性因子への配慮も欠かせません。プロパゲーション株のゲノムを確認し、毒素遺伝子や可動性の耐性遺伝子を持たない株を選ぶこと、そして溶原性ファージによる形質導入(毒素遺伝子などの水平伝播)を避けることが、原材料段階のリスク管理になります。品質リスクマネジメントリスクに基づいて品質を判断する、品質リスクマネジメントの考え方を示すICHのガイドライン。の枠組み(ICH Q9リスクに基づいて品質を判断する、品質リスクマネジメントの考え方を示すICHのガイドライン。(R1) 品質リスクマネジメント)に沿って、宿主由来リスクを工程のどこでどこまで下げるかを整理しておくと、後段の精製・試験の設計判断がぶれません。

清澄化と下流精製 ― エンドトキシン・宿主DNA・デブリを除く

溶菌後の培養液(ライセート細胞を壊してリボソームやtRNA、翻訳酵素群などの翻訳機構を取り出した液。無細胞合成の反応の中心になる。)は、目的のファージ粒子と、大量の宿主由来不純物が混ざった状態です。下流工程発酵・培養で産生された生物学的製剤を回収・精製し、原薬または製剤として仕上げる一連のプロセスの総称。の目的は、ファージの感染力(力価)を保ちながら、エンドトキシン・宿主DNA・宿主タンパク質・細胞デブリを規格まで下げることにあります。基本的な考え方は微生物のダウンストリーム精製と共通しますが、標的が「生きたウイルス粒子」である点が制約になります。

最初は清澄化です。遠心分離や深層ろ過で菌体デブリと大きな凝集物を除き、続いて滅菌ろ過相当のメンブレンでバイオバーデン工程中に存在する微生物の量。長時間の連続運転では管理の時間軸がバッチより長くなる。を下げます。ここで注意すべきは、ファージ粒子のサイズが小さいものから比較的大きいもの、あるいは尾部を持つ形態までさまざまで、フィルターの孔径選定を誤ると目的のファージ自体を失いかねないことです。孔径とファージ回収率添加した既知量の標準物質に対して試験で実際に測定された値の割合を示す指標で、試験の正確さを表す。の関係は、ファージごとに事前に確認しておく必要があります。

清澄化後の主要な精製手段は、おおむね次のように使い分けられます。

手法主な分離原理除去できる主な不純物留意点
TFF(限外ろ過半透膜で目的物質を濃縮したり(限外ろ過)、緩衝液を目的の組成に置き換えたり(ダイアフィルトレーション)する工程です。膜面に沿って液を流すTFF方式が使われます。詳しく →/透析ろ過膜ろ過で液のバッファを目的の処方液に置き換える操作。限外ろ過(UF)と組み合わせて使う。分子サイズ低分子・一部エンドトキシン・バッファ置換濃縮・脱塩に有効。せん断流れの中で分子にかかる物理的な力。強すぎると抗体の凝集や微粒子発生を招く。や膜への吸着で力価低下の恐れ
クロマトグラフィー固定相と移動相の間での物質の相互作用(分配・吸着・イオン交換など)の差を利用して、混合物中の成分を分離・精製する操作の総称。AEX正の電荷を帯びたクロマト担体で、負に帯電した分子を静電的に吸着して分離します。タンパク質精製や、DNA・不純物の除去に使われます。詳しく →等)電荷宿主DNA・エンドトキシン・宿主タンパク質ファージの等電点抗体全体の正味電荷がゼロになるpH。電荷の性質を表す指標で、会合や粘度に関わる。・表面電荷に依存。回収と純度の両立が要
サイズ排除分子の大きさの差で分けるクロマトグラフィー。クロマト(SEC)分子サイズ凝集体・低分子・デブリ処理量が小さくポリッシュ向き
塩化セシウム(CsCl)密度勾配浮遊密度空粒子・不完全粒子・多くの可溶性不純物高純度が得られるが処理量・スケール・残留CsCl除去が課題

TFF(タンジェンシャルフローろ過)は、濃縮とバッファ置換、そして一部のエンドトキシンや低分子不純物の除去を担う基盤工程です。ただし膜面でのせん断や吸着でファージ力価が落ちることがあるため、膜材質・膜面積・流速・膜間差圧を穏やかに設定します。陰イオン交換(AEX)などのクロマトグラフィーは、宿主DNAとエンドトキシンの除去に有効ですが、多くのファージ表面が負に帯電することからファージ自身も樹脂に相互作用しうるため、条件次第で目的物と不純物の分離が入れ替わります。ファージごとに保持挙動を把握し、素通り(フロースルー)で不純物を捕らえるのか、結合・溶出で回収するのかを設計します。

塩化セシウム(CsCl)密度勾配超遠心は、ファージ精製で古くから用いられ、完全粒子と空粒子・不完全粒子を浮遊密度の差で分ける高分解能な手法です。研究や少量製造では強力ですが、処理量が限られスケールアップに向かないこと、残留CsClを後段で確実に除く必要があることから、商業製造では位置づけをよく検討します。実際の工程では、これらを一つに頼るのではなく、清澄化・TFF・クロマト(必要に応じて密度勾配)を組み合わせ、直交する原理で段階的に純度を上げる設計が基本になります。

不純物のなかでも管理上もっとも重い相手が、グラム陰性の宿主菌に由来するエンドトキシン(リポ多糖、LPS)です。強い発熱性を持ち、静脈内投与では特に厳格な管理が求められます。エンドトキシンはファージ粒子と会合しやすく、単純なろ過だけでは落ちにくいため、除去の考え方は微生物製剤のエンドトキシン除去で扱う手法群 ― 陰イオン交換、界面活性剤やアフィニティを利用した吸着、洗浄条件の最適化など ― を、ファージの力価を守りながら組み合わせることになります。

品質管理 ― 力価(PFU)・宿主範囲・純度を軸に

ファージ製剤の品質は、大きく「どれだけ活きているか(力価)」「何に効くか(宿主範囲)」「どれだけきれいか(純度・安全性)」の三本柱で評価します。規格の考え方そのものはICH Q6B(生物薬品の規格及び試験方法)の枠組みに沿いますが、指標はファージ特有です。

力価は感染力のある粒子数として表され、代表的な指標がPFU(Plaque Forming Unit、プラーク形成単位)です。指示菌の菌叢に段階希釈したファージを重層し、溶菌によって生じる透明な斑点(プラーク)を数えてPFU/mLとして力価を求めます。物理的な粒子数(電子顕微鏡やqPCRで測るゲノムコピー数)とPFUの比は、感染性を持たない粒子の割合を示す純度・品質の指標になります。プラーク法は生物学的なばらつきが大きいため、指示菌・重層条件・判定基準を規定し、分析法として妥当性を確認しておくことが重要です。

宿主範囲は、そのファージ(またはカクテル)がどの菌種・菌株に溶菌活性を示すかを、多数の臨床分離株パネルに対して確認する試験です。スポットテストやプラークアッセイで感受性を判定し、標的とする感染症の起因菌をどれだけ広くカバーできるかを評価します。個別化を志向する場合は、患者由来株に対する感受性試験(フェイジオグラム)を投与前に行う運用も検討されます。

純度・安全性の試験は、宿主由来不純物の残存量が中心になります。エンドトキシンは細菌内毒素試験(USP <85>、Ph.Eur. 2.6.14 に相当)で規格以下を確認し、宿主DNAの残存量、宿主タンパク質(HCP)、無菌性(USP <71> に相当)、そして溶原性ファージや意図しない外来微生物の混入がないことを確かめます。さらに、製剤が「生きたウイルス」であるがゆえに、力価が保存中に低下しないかという安定性の作り込みも品質の一部です。ファージは種類ごとに熱・pH・凍結や凍結乾燥への耐性が異なるため、製剤処方と保存条件を実験的に決めていきます。

POINT
ファージ製剤のQCは、PFUによる力価、臨床分離株パネルに対する宿主範囲、そしてエンドトキシン・宿主DNA・無菌性を含む純度・安全性の三本柱で組み立てます。物理粒子数とPFUの比は、感染性を持たない粒子の割合を映す純度の目安になります。

ファージカクテルの設計と、規制上の新規性

ファージの宿主範囲が狭いことと、細菌がファージへの耐性を獲得しうることから、単独のファージでは実臨床のカバー範囲と耐性化の両面で不利になりがちです。そこで、異なる受容体を認識し、異なる株に効く複数のファージを組み合わせた「ファージカクテル」が広く検討されます。カクテル化は、標的菌のカバー率を広げると同時に、複数のファージに同時に耐性を獲得しにくくすることで、耐性出現を抑える狙いがあります。

一方で、カクテルは製造・品質管理を複雑にします。構成する各ファージを個別に増やして精製し、規定の比率で混合するのか、混合系で増やすのかといった工程設計、各成分の力価と宿主範囲の管理、成分間の相互作用や安定性の評価など、単剤にはない論点が加わります。構成を固定した「既製カクテル」と、患者の起因菌に合わせて選ぶ「個別化」では、製造と規制の枠組みも変わってきます。

規制の観点では、ファージ療法は既存のカテゴリーに収まりにくい新規性を持ちます。生きた複製能を持つ生物であること、宿主範囲が狭く個別化になじむこと、カクテルとして複数成分を扱うこと、そして製造の起点が病原菌でありうること ― いずれも従来の低分子や組換えタンパク質の枠組みでは想定しにくい特徴です。生きた微生物を投与するという点では生きた微生物製剤(LBP)と共通する論点も多く、菌叢・生菌数管理・製造の一貫性といった考え方が参考になります。

規制当局(FDA・EMA など)はファージ療法に関する議論とガイダンスの整備を進めており、欧州薬局方でも品質面の枠組みづくりが検討されています。ウイルスを扱う工程であることから、ウイルス安全性の一般的な考え方(ICH Q5A(R2) など)の発想は参考になりますが、ファージ自体が有効成分であるため、そのまま当てはめるのではなく、目的物であるファージと除くべき外来因子を切り分けて考える必要があります。現時点では確立した単一の道筋があるわけではなく、個別化調製・緊急使用・臨床試験といった複数の経路が並行して模索されている段階です。実務では、最新の当局ガイダンスと薬局方の一次情報を都度確認することが欠かせません。

まとめ

バクテリオファージ療法の製造は、宿主菌を培養して感染・溶菌でファージを増やすという独特の上流工程を起点に、大量に放出される宿主由来のエンドトキシン・DNA・デブリを、ファージの感染力を保ったまま清澄化・TFF・クロマトグラフィー・必要に応じた密度勾配で段階的に除いていく設計が要になります。宿主が病原菌でありうることからバイオセーフティと内毒素管理が最重要となり、品質はPFUによる力価・臨床分離株に対する宿主範囲・エンドトキシンや宿主DNAを含む純度と安全性の三本柱で担保します。カクテル設計や個別化、そして「生きたウイルス製剤」という規制上の新規性も相まって、ファージ療法は薬剤耐性菌への有力な対抗手段であると同時に、製造・品質・規制の各面で従来の枠組みを問い直す領域だと言えます。具体的な規格値や工程条件は、薬局方・ICH/当局ガイダンス・各社資料などの一次情報で必ず確認してください。

参考文献

  • ICH Q5A(R2):バイオテクノロジー応用医薬品のウイルス安全性評価
  • ICH Q6B:生物薬品(バイオテクノロジー応用医薬品/生物起源由来医薬品)の規格及び試験方法の設定
  • ICH Q9(R1):品質リスクマネジメント
  • USP <85> Bacterial Endotoxins Test/Ph.Eur. 2.6.14 細菌内毒素試験
  • USP <71> Sterility Tests(無菌試験)
  • FDA・EMA によるバクテリオファージ療法に関するガイダンス・議論文書、および欧州薬局方(Ph.Eur.)における品質枠組みの検討
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編集メモ:この記事はProglenth編集部が、微生物・発酵に関する基礎的な情報を、はじめての方にも分かるように整理したものです。実際の製造方法・管理戦略・品質基準は、製品や企業、各国の規制によって異なります。本記事は一般的な解説であり、特定製品の推奨や規制・医療上の助言ではありません。実務で判断される際は、各極の薬局方・ガイドライン(ICH/GMP等)やメーカーの一次情報を必ずご確認ください。内容に誤りやご指摘があればお問い合わせからお知らせください。