用語集

カプシド力価」とは?

別名・英語表記:cp

試料中のカプシド粒子(cp)の数を表す力価。ELISAなどで測り、ゲノム力価との比で空実比の算出に使う。

カプシド力価(cp)は、ゲノムの有無を問わず粒子の外殻(カプシドタンパク質)そのものの総数を数える指標です。ゲノム力価が「中身の入った粒子」を反映するのに対し、カプシド力価は空カプシドを含む全粒子を数えるため、両者の差や比が製剤品質の評価に直結します。さらに、カプシド力価は感染できるかどうかまでは保証しない点にも注意が必要です。

ゲノム力価と何が違うのか

ゲノム力価(vg)は治療遺伝子を積んだ充填カプシドを反映しますが、カプシド力価(cp)はゲノムの有無を問わずカプシドタンパク質の殻を総数で数えます。そのため全カプシド力価とゲノム力価は一致せず、その差そのものが空カプシドの多さを表します。言い換えると、vg/cpという比が「中身の詰まり具合」、つまり空実比を示す指標になります。両者はともに粒子数の指標であり、粒子が感染できるかどうかという機能までは保証しない点は共通しています。

測定法と数字の比較可能性

カプシド力価の代表的な測定法はELISA(酵素結合免疫吸着測定)などの免疫測定です。実務ではddPCRでゲノム力価を、ELISAでカプシド力価を測り、vg/cpを日常管理の指標として運用するケースがあります。ただし、ddPCRとELISAはそれぞれ独立した誤差を抱えており、割り算によって誤差が合成されます。そのため「vg/cpが0.4だった」という数字は、手法とバリデーション条件をセットにしない限り、他施設の0.4と単純に比較することはできません。

安定性評価で見落としやすいこと

AAV製剤の安定性をカプシド力価やゲノム力価といった粒子数の指標だけで判断すると、機能低下を見落とすおそれがあります。粒子数は変わらなくても感染性が低下するという劣化モードがあるためです。これを捉えるには、感染力価をゲノム力価またはカプシド力価で割った「感染性/粒子比」の変化を合わせて追う必要があります。カプシド力価は品質の一面を映す指標であり、単独で製剤の機能を語れるものではありません。

この定義はProglenth編集部が一般的・基礎的な内容として整理したものです。実際の管理基準・要件は製品・企業・各極の規制により異なります。 正確な運用は各極の薬局方・ガイドライン(ICH/GMP等)やメーカーの一次情報をご確認ください。

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