「発熱性物質」とは?
体内に入ると発熱反応を起こす物質。パイロジェンとも呼び、エンドトキシンが代表格。
体内に入ると発熱反応を起こす物質。パイロジェンとも呼び、エンドトキシンが代表格。
発熱性物質(パイロジェン)は、体内に入ると発熱反応を引き起こす物質の総称で、グラム陰性菌の外膜に由来するエンドトキシン(LPS)がその代表です。注射剤はこれを直接血流に届けてしまうため、製造工程での除去管理と検査が特に厳しく求められます。
発熱性物質はより広い概念で、エンドトキシンはその代表格に位置づけられます。エンドトキシンは主にグラム陰性菌の細胞壁(外膜)に由来するリポ多糖(LPS)であり、製品への混入がないかを確かめる試験が安全性管理の中心となります。注射剤に使用するWFI(注射用水)についても、導電率やTOCで水の清浄度を測るだけでなく、発熱性物質としてのエンドトキシン上限が別途課されるのはこのためです。
かつての発熱性物質試験は、ウサギに検体を注射して体温上昇を観察する動物試験でした。現在広く使われるLAL試験は、カブトガニ血球のリムルス反応——エンドトキシンが凝固カスケードを進める反応——を利用した試験管内の手法で、ゲル化・比濁・比色の3方式があります。試験管内で速く定量できるうえ、動物試験の削減にもつながる方法です。なお、単球活性化試験(MAT)に関する薬局方各条も存在します。
大腸菌などグラム陰性菌を使った製造工程では、菌体そのものがLPSの発生源となるため、「発熱性物質をどこまで落とすか」が工程設計全体を貫く課題になります。高圧破砕や封入体のリフォールディングといった工程を経たあと、イオン交換やHICによる精製に加えてエンドトキシン除去のステップが組み込まれるのは、この課題に対応するためです。製造用水(WFI)や原薬・製剤において発熱性物質としての安全性を担保することが、最終製品の品質保証につながります。
この定義はProglenth編集部が一般的・基礎的な内容として整理したものです。実際の管理基準・要件は製品・企業・各極の規制により異なります。 正確な運用は各極の薬局方・ガイドライン(ICH/GMP等)やメーカーの一次情報をご確認ください。