用語集

MCB/WCB」とは?

別名・英語表記:マスターセルバンク / ワーキングセルバンク

製造の起点となる細胞を段階的に均質に凍結保存した在庫(マスター/ワーキングセルバンク)。

MCB(マスターセルバンク)とWCB(ワーキングセルバンク)は、製造の起点となる細胞を「大元の一次在庫」と「日常使いの二次在庫」に分けて凍結保存する二段構えの仕組みです。この階層管理によってロット間の再現性の出発点をそろえており、MCBを温存したまま日常製造をWCBで行うことで、大元の細胞が使い切られるリスクを回避できます。

MCBとWCBの役割の違い

MCBは細胞株開発で確立した細胞から作る、すべての製造の大元となる一次在庫です。WCBはそのMCBの1本を解凍・増やして作る、日常の製造で実際に使う二次在庫にあたります。通常の製造はWCBから始めることでMCBを温存し、何らかの問題でWCBが失われても大元のMCBから再起動できる構造になっています。マスターセルバンク、ワーキングセルバンクという二段構えが「再現性の担保」として機能する理由は、この役割分担にあります。

単一クローン由来であることの意味

マスターセルバンクの品質上の重要な要件として、単一細胞由来であることの確認が挙げられます。規制当局とのやり取りでも、適切な二回の限界希釈、あるいはFACSやクローン解析によって、マスターセルバンクが単一細胞由来である確率を高めるという整理が共有されてきました。iPS細胞の場合、単一クローン由来のマスターセルバンクから出発することで、あらかじめ均一に編集された出発材料を確保しやすく、繰り返し同質の細胞を供給できる点で量産と相性がよいとされています。

試験・評価の設計で押さえるポイント

MCB・WCBに対しては、遺伝的安定性の評価や、培養法・指標細胞法(DNA染色法)、あるいは適切にバリデートされたNATによるマイコプラズマ等の試験が求められます。評価は製造上限付近の細胞も含めた複数の時点で設計することが基本的な考え方です。また、フィーダー細胞株を用いる場合はそれ専用のマスターセルバンクを作成し、造腫瘍性やウイルスに関する安全性試験を行う必要があります。具体的な項目・規格・手法は一次情報で確認することが推奨されています。

この定義はProglenth編集部が一般的・基礎的な内容として整理したものです。実際の管理基準・要件は製品・企業・各極の規制により異なります。 正確な運用は各極の薬局方・ガイドライン(ICH/GMP等)やメーカーの一次情報をご確認ください。

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