用語集

薬物間相互作用」とは?

別名・英語表記:DDI / Drug-Drug Interaction

併用薬が代謝酵素を阻害・誘導し合い、血中濃度が変動する現象。fmはこのリスク評価の土台になる。

薬物間相互作用(DDI)とは、複数の薬を併用したときに代謝酵素やトランスポーターへの影響を介して互いの血中濃度が変動する現象です。引き金は肝臓のCYP(シトクロムP450)を介した代謝的相互作用だけでなく、トランスポーターを介した経路も含まれます。予期せぬ濃度変化は有効性・安全性に直結するため、開発早期からのリスク評価が求められます。

CYP経由とトランスポーター経由の二つの引き金

DDIの引き金として代表的なのが、肝臓のシトクロムP450(CYP)を介した代謝的相互作用です。一方で、トランスポーターを介した相互作用も同様にDDIと呼ばれます。CYPが薬を代謝する速度を阻害・誘導するかという軸と、輸送体が薬の細胞内外への移動を妨げるかという軸の、二つの経路がリスク評価の対象になります。トランスポーターDDIについては、結合力だけでリスクが決まらないという点から、低分子開発では早い段階から見ておきたい論点とされています。

評価はin vitroから臨床試験へ段階的に進む

DDI評価はまずin vitroで「その薬が基質か、阻害剤か、誘導剤か」を調べ、必要に応じて臨床のDDI試験へ進むという段階的な流れをとります。その判断の目安として、想定される阻害剤の濃度とin vitroで求めた阻害の強さ(IC50やKi)から計算する指標(R値)が使われ、肝取り込みのトランスポーターでは概ね1.1を超える場合に臨床でのDDI評価を検討するという運用があります。また、ある代謝分子種の寄与(fm)が概ね0.25以上を超える場合には、その阻害剤・誘導剤を用いた臨床DDI試験を検討するという当局の目安も示されています。

fmやPBPKとの関係

fmとは特定の代謝経路が全体の代謝に占める寄与の割合を示す数字で、DDIリスクを見積もる土台となります。この数字があることで、どの分子種の阻害剤・誘導剤との臨床試験が必要かを設計できます。また、生理的薬物動態モデル(PBPK)はin vitroの情報を積み上げることで、臨床DDI試験が難しい特殊集団への外挿にも活用できます。DDI評価はこのように、in vitroの測定値・fm・モデル予測が連動して機能する仕組みになっています。

この定義はProglenth編集部が一般的・基礎的な内容として整理したものです。実際の管理基準・要件は製品・企業・各極の規制により異なります。 正確な運用は各極の薬局方・ガイドライン(ICH/GMP等)やメーカーの一次情報をご確認ください。

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