用語集

ADME」とは?

別名・英語表記:吸収・分布・代謝・排泄

薬物の吸収・分布・代謝・排泄という体内動態の4要素。脂溶性の設計とも深く関わる。

ADMEとは、薬物が体内で吸収・分布・代謝・排泄される一連の過程をまとめた見方です。単なる分類にとどまらず、モダリティ(低分子・抗体・核酸医薬・ADCなど)によって各ステップの経路や挙動が根本的に異なるため、有効性と安全性の評価に直結する概念です。

モダリティごとに挙動が異なる理由

ADMEは「吸収・分布・代謝・排泄」という4ステップをまとめた言葉ですが、その中身はモダリティによって大きく変わります。核酸医薬(ASOやsiRNA)では、投与直後に血漿中濃度が急落しても慌てる必要がない場合があるほど、低分子とも抗体とも根本的に異なる振る舞いを示します。ADCでは、抗体部分とペイロード部分とで各ステップが異なる経路をたどるうえ、投与後に中身が変わり続ける混合物であるため、PK・ADMEの解釈は抗体単独よりも格段に複雑になります。つまりADMEは一つの共通フレームワークでありながら、モダリティごとに別物として読み解く必要があります。

「後から設計する」核酸医薬の特徴

核酸医薬のADMEには、化学修飾と送達技術によって分布や安定性を後から設計するという独自の性格があります。ヌクレアーゼによる代謝を化学修飾で抑え、送達技術で標的組織への集積を調整できるため、低分子のように化合物の素の性質でADMEが決まるわけではありません。血漿からの速い消失と肝・腎への集積、腎排泄、そして組織内の半減期が血漿と大きく乖離するという特徴も、この「設計可能性」と表裏一体です。この点が低分子・抗体との最大の違いとされています。

PKとADMEの関係と試験での役割

PKはADMEを数値で描くことそのものを目的とする試験と位置づけられます。in vivo試験においては、吸収・分布・代謝・排泄といった体内動態を評価に取り込む役割を担います。ADCの場合、抗原非依存の分布がどこでペイロードを離すかというADME全体の理解と切り離せず、この構造的な複雑さがPKデータの解釈をさらに難しくします。抗体部分とペイロード部分を分けて考えることが、ADCのADMEを見通す鍵とされています。

この定義はProglenth編集部が一般的・基礎的な内容として整理したものです。実際の管理基準・要件は製品・企業・各極の規制により異なります。 正確な運用は各極の薬局方・ガイドライン(ICH/GMP等)やメーカーの一次情報をご確認ください。

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