有機EL材料の保土谷化学工業(東証プライム・4112)は9月2日、核酸医薬のCDMO事業を担う100%子会社「株式会社NuChord(ニュコード)」を9月1日付で設立したと開示した。資本金は2億円。核酸医薬の原料素材の供給から、GMPに準拠した原薬の製造までを1社で引き受ける体制を掲げ、製造は福島県郡山市の郡山工場に建てる新棟が担う。
有機EL材料から診断用オリゴ、オリゴ核酸の合成・精製へ
保土谷化学の本体は有機EL材料のうち正孔輸送材料に強く、韓国のグループ会社SFC CO., LTD.が発光材料を手がけている。SFCは発光材料の技術を診断用のオリゴ製品に広げてきた。遺伝子検査で使うプローブには、光る色素(発光材)と、その光を消す色素(消光材)が両端に付き、標的に結合したときだけ光る仕組みになっている。
SFCはさらに忠清北道清州市にBio Parkを新設し、オリゴ核酸の合成と精製へ進んでいた。プローブ用のオリゴを作る技術を医薬品の原料に向けた流れで、NuChordはその次の段階として原薬の製造を受け持つ。
郡山工場の新棟にGMP合成設備とクリーンルーム
新棟には、GMPに準拠した合成設備とクリーンルームを入れると説明されている。化学工業日報は投資額を数十億〜100億円と報じ、福島民報は新棟が「一貫体制の構築を目指す」ものだと伝えた。投資額は会社の開示ではなく、業界紙の報道による数字だ。
同社はこの参入を、2026年5月に公表した中期経営計画「CODE/CHORD 2030」で、有機EL材料事業に続く新しい成長エンジンとして掲げていた。今回の設立は、その計画を実行に移す手続きにあたる。
実務の確認ポイント委託先として見る際の留意点
核酸医薬の受託では、合成のスケールと精製の取り回しが委託先選びの軸になる。何グラムから何キログラムまでを、どの純度で出せるのかが決まらないと、依頼する側は当てどころを決められない。次に確かめるのは、新棟の稼働時期と、GMP製造を立ち上げる規模だ。
※ 本ページは2026年9月2日の開示をもとにした紹介です。事業の範囲・投資額・稼働時期の詳細は公式情報をご確認ください。