医薬品用ガラス容器のSGD Pharma(本社フランス)は10月5日、RTU(Ready-to-Use)管瓶バイアルを発売すると発表しました。洗浄・脱パイロジェン・滅菌まで済ませた状態で届くバイアルです。感受性が高く高価な注射剤に向け、イタリア・フェリーノにある工場のISO 5環境で製造します。この工場は、同社が1年前に買収したAlphialのものです。10月6〜8日のCPHI Milan 2026で、点鼻薬向けのバイアルや内面処理の受託サービスとあわせて紹介するとしていました。容量のラインアップや価格、生産能力は公表していません。
買収で加わった管瓶のRTU
ガラスバイアルには2つのつくり方があります。溶けたガラスを型の中で成形するモールド瓶と、ガラス管を加工してつくる管瓶です。同社がこれまで滅菌済みで出してきたのはモールド瓶で、Stevanato Groupの「SG EZ-fill」と組んで供給しています。管瓶の工場を得たことで、Type IガラスのRTUバイアルを1社でそろえられると同社は説明しています。最高経営責任者(CEO)のOlivier Rousseau氏は「Alphialの買収から1年がたち、モールド瓶と管瓶の両方で一次包装を提供できる体制が整った」と述べました(発言は編集部訳)。
バルクのバイアルを買うと、充填する側が洗浄機と乾熱の脱パイロジェントンネルを動かします。温度分布の検証も自社の仕事です。RTUなら、この工程は容器メーカーの側で終わっています。品目の切り替えが多い小ロットの充填ラインほど、アイソレーターに容器を入れるところから作業を始められる利点が効きます。4月にはSCHOTT PharmaもRTUのガラスカートリッジを発表しました。一次包装を滅菌済みで受け取る選択肢は、バイアル以外の容器にも広がっています。
他社の瓶にも施す内面処理Sealian
同社はあわせて、受託サービス「MySealian」を始めます。バイアル内面のコーティング「Sealian」を、他社のモールド瓶に施すサービスです。ガラスメーカーや製薬企業、OEM各社が設備投資なしで使えるとしています。Sealianは、ガラスの内面に撥水性の保護膜をつくる処理です。同社によれば、粘度の高い製剤が内壁に張り付きにくくなり、中身が見やすく検査もしやすくなります。容器に残って捨てる量も減ります。高濃度の抗体製剤は粘度が上がりやすく、壁に残る分を見込んで多めに充填することがあります。新しい管瓶でもSealianを選べます。
点鼻薬向けの「MySterinity Nasal」は、Type Iガラスのモールド瓶のシリーズです。洗浄済み、脱パイロジェン済み、滅菌済みのいずれでも出荷できます。全身作用の薬や中枢神経の薬、ワクチンでの使用を想定しています。背景として同社は、点鼻で投与するバイオ医薬が増え、微生物の管理への要求が高まっていることを挙げています。
SGD Pharmaは、Alphialの管瓶工場を得たことで、モールド瓶と管瓶の両方をRTUで出せる体制を整えました。充填する側にとっては、洗浄と脱パイロジェンを社内に残すかどうかを考えるときの調達先が1社増えます。
※ 本ページは2026年10月5日のSGD Pharmaの発表をもとにした紹介です。詳細・数値は一次情報もあわせてご確認ください。