GE HealthCareが主契約者となり、DNA ScriptとともにARPA-H(米国の先端医療研究計画局)から最大2,600万ドル、4年間の事業(FLASH)を獲得した(2026年8月4日発表)、とGENが報じた。
DNA Scriptは自社の酵素法DNA合成(EDS:Enzymatic DNA Synthesis)技術を提供し、事業の技術ソリューション統合役を務めるとともに、GE HealthCareが持つ独自のDNAスケーリング技術を取り込む形で、自社のソリューションを適合させるとしている。
ホスホロアミダイト法に代わる水系の酵素合成
DNAの人工合成は、長らくホスホロアミダイト法という化学合成が標準だった。有機溶媒と保護基を使って1塩基ずつ伸ばす方法で、伸ばすほど副生成物が増え、実用的な長さは200塩基程度で頭打ちになる。アセトニトリルなどを使うため廃液の処理が伴い、合成そのものを外注して届くまで待つ運用が一般的だ。
酵素法は、DNAポリメラーゼの働きを使って水系で伸ばす。理屈のうえでは、より長く、より穏やかな条件で、装置を手元に置いて作れる。
合成したDNAを増やすスケーリングは別工程
合成で得られるDNAはごく微量で、遺伝子治療のプラスミドやmRNAの鋳型として使うには、そこから増やす工程が別に要る。従来はプラスミドを大腸菌に入れて培養し、抽出・精製してきた。確実な方法だが、エンドトキシン、宿主DNA、RNAといった細菌由来の不純物を落とす精製が必要で、時間もかかる。今回の事業は、合成をDNA Script、スケーリングをGE HealthCareが担う構成だ。
実務の確認ポイント鋳型DNAの調達先として見るときの留意点
実務の判断材料にするには、合成できる長さと配列の制約(繰り返し配列、GC含量の偏りへの耐性)、増幅後のDNAの品質(正確性、不純物プロファイル)、GMP適合の道筋を確かめることになる。
※ 本ページは公開情報(GENの報道)をもとにしたProglenth編集部による整理です。事業の規模・時期を含む詳細は一次情報をご確認ください。