精製
2026.09.22Cytiva約7分

MabSelect PrismA(Cytiva)――0.5M洗浄が前提

Photo: National Cancer Institute / Unsplash

MabSelect PrismA は、抗体の捕捉工程でいま最も広く使われている Protein A 樹脂です。基材は高架橋アガロース、粒子径は 85 µm、リガンドはアルカリ耐性を高めるように改変した Protein A になります。

この樹脂が基準の位置にいる理由は、⁠滞留時間8分で約 100 g/L という動的結合容量にあります。他社の樹脂を評価するときも、たいていこの桁と比べる形になります。

100 g/L という数字の読み方

動的結合容量(DBC)は、樹脂1リットルあたり何グラムの抗体を捕まえられるかを示します。ただしこの値は滞留時間で動きます。液をゆっくり通せば入り込む時間が稼げて容量は増え、速く通せば減ります。

だから 「100 g/L」だけを控えても比較になりません。⁠8分という条件とセットで初めて意味を持ちます。実際の運転で滞留時間を4分に縮めれば、同じ樹脂でも容量は落ちます。DBC の測り方を揃えないまま各社のカタログ値を並べても、順位は入れ替わります。

洗浄条件が、寿命の前提になっている

アルカリ耐性は、0.5 M の水酸化ナトリウムを毎サイクル15分かけて150サイクル回せる、という形で公表されています。0.5 M に72時間浸けても容量はほとんど動かず、下がり始めるのは 1.0 M に48時間浸けたあたりです。

ここで効いてくるのが、メーカー自身が 0.1 M では繰り返し洗浄に足りないと明言している点です。古い Protein A 樹脂では 0.1 M を使う手順が一般的でしたが、PrismA はその条件を前提にしていません。0.1 M で回して寿命が短いと感じたなら、樹脂ではなく手順のほうを疑う場面です。

水酸化ナトリウムを濃くする理由は、洗浄そのものよりバイオバーデンの管理にあります。樹脂の寿命は、結合容量が落ちる前に微生物汚染で終わることがあります。

供給の二重化まで含めて売っている

メーカーは、アガロース基材と Protein A リガンドの両方について供給元を二重化していると説明しています。これは性能の話ではなく、調達の話です。

捕捉工程の樹脂は、一度プロセスに組み込むと変更に同等性の評価が要ります。供給が止まれば代替品への切り替えに時間がかかるので、供給の確からしさは仕様の一部として扱われます。

樹脂を選ぶとき、比べるのは容量と寿命だけではありません。止まらないという約束も、同じ表の中にあります。

導入で確認したいこと

※ 本ページは公開情報をもとにした紹介です。仕様・洗浄条件の詳細は公式情報をご確認ください。

主要諸元

モードProtein A アフィニティ
リガンドアルカリ耐性改変型 Protein A
基材高架橋アガロース
粒子径85 µm
動的結合容量約 100 g/L(滞留時間 8 分)
アルカリ耐性0.5 M NaOH・15 分/回 を 150 サイクル
浸漬試験0.5 M NaOH に 72 時間で容量低下なし
使用回数繰り返し使用

いずれもメーカー公表値です。構成やキットにより異なるため、実際の条件はメーカーの製品ページでご確認ください。

メーカー公式
Cytiva
製品ページを見る ↗

本ページは各社の公開情報をもとに、Proglenth編集部が整理したものです。仕様・数値はメーカー公表値、発言は発表資料からの引用(英文は編集部訳)であり、本ページは販売・推奨を目的とするものではありません。導入の検討では必ず一次情報とメーカーへの確認を行ってください。編集の考え方は編集方針に記載しています。

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