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2026.10.21•Evia Bio

Evia Bio、MSC用のDMSOを使わない凍結保存液をGMPグレードで出荷開始──回収率×接着率83%、DMSO系標準品は68%と公表

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Photo: Brecht Corbeel / Unsplash

Evia Bio⁠(米ミネソタ州ミネアポリス)は10月19日、間葉系間質細胞(MSC)向けの凍結保存液「⁠CellShield MSC⁠」のGMPグレードについて、顧客への出荷を始めたと発表しました。DMSO(ジメチルスルホキシド、凍結から細胞を守る薬剤として広く使われる溶媒)を使わず、生体内にある糖やアミノ酸などの小分子(オスモライト)を組み合わせた組成で、キットには細胞を一定の速度で凍らせるプロトコルが付きます。同社は製品ページで、自社と第三者の試験として、回収率と接着率を掛けた収量が83%で、DMSO系の主な標準品の68%を上回ると公表しています。解凍後に洗浄や回復培養を挟む必要がないという説明も、同じページにあります。会長兼CEOのJeffrey Allen氏は、現行の業界標準と同等以上の性能を、DMSOの有害な影響なしに実現すると述べています。GMPグレードの規格と試験項目、ロット間の差は公表していません。研究用(RUO)グレードは2025年11月に発表し、GMPグレードはその時点で2026年第1四半期末までの提供予定でした。

解凍後に洗って除く前提を、組成の側から外すという提案

細胞製品の凍結保存液には、DMSOを入れる組成が広く使われています。上の多施設共同研究でも、7施設すべてが5〜10%のDMSO液を自前で調製していました。DMSOは細胞内に氷の結晶ができるのを抑えますが、常温では細胞に毒性があり、承認されたCAR-Tの添付文書も、DMSOに起因しうる重い過敏反応に注意を促しています(CAR-Tの凍結製剤)。そのため、投与前に洗って除くか、製剤の段階で総量を抑えるかを選びます。洗浄を挟めば遠心と培地交換が加わり、細胞の損失と開放操作が増えます。

CellShield MSCは、この前提を保存液の組成の側から外そうという製品です。同社は、細胞膜を通るものと通らないものを組み合わせたオスモライトで、凍結から解凍までを通して細胞を守る設計で、タンパク質を含まず全成分が既知だと説明しています。

第三者の試験は2つで、ひとつは7施設が参加した多施設共同研究(2024年の Cytotherapy 誌の論文)、もうひとつは社名を明かしていない大手CDMOの試験です。論文では、凍結前の平均生存率94.3%に対し、DMSOを使わない液は11.4ポイント、各施設が調製した5〜10%のDMSO液は4.5ポイント下がりました。生存率はDMSO系よりやや低く、回収率は92.9%でDMSO系を5.6ポイント上回っています。論文はこの水準を臨床で許容されうるとし、解凍後の機能の検証は今後の課題としています。同社の創業者は、この論文の著者の1人です。

細胞表面マーカーは、MSCで陰性のCD45と陽性のCD73・CD90・CD105が、いずれも想定どおりの発現だったと論文は報告しています。分化能も保たれるという説明は、同社の製品ページにあるものです。

キットは研究用(RUO)とGMPの2つのグレードで、同社はRUOを工程開発と比較試験向け、GMPを臨床用の製造工程向けと区分しています(研究用試薬からGMPグレードへ)。100 mLのキットの価格はRUOが475ドル、GMPが495ドルで、送料は別です。製造は重要原材料のメーカーであるTeknovaが担います。

GMPグレードの先で問われる点

凍結保存は、MSCの製造の最後の段です。保存液は最終製剤に残って患者に投与されるので、替えるときは製剤の組成と規格、解凍後の生存率と力価、保存と輸送の条件まで確かめ直します(細胞治療の凍結保存とコールドチェーン)。GMPグレードの規格と試験項目、ロット間の差、有効期限は、今回の発表に含まれていません。洗浄が要らなくなる一方で、同社の手順には凍結前の室温での1時間以上の保持と、速度を制御した凍結が入ります。

GMPグレードの提供は、2025年11月12日の発表では2026年第1四半期末までの予定で、出荷開始はそれより後になりました。同社は2026年9月16日にシリーズAの資金調達を完了したと発表し(金額は公表していません)、T細胞とCAR-T向けの製品を今後6〜9か月のうちに投入するとしています。 DMSOを使わない保存液に替え、解凍後の洗浄を前提としない工程に組み替える提案です。既存のDMSO系から替えたときに、解凍後の生存率と力価、ロット間の差が自社の細胞と容器でも保てるかが、臨床用の製造に採り入れられるかの分かれ目です。

※ 本ページは2026年10月19日のEvia Bioの発表と、同社の製品ページ・ブログ、および Mamo T, et al. Cytotherapy. 2024;26(12):1522-1531 をもとにした紹介です。詳細・数値は一次情報もあわせてご確認ください。

業界メディア報道
biospace.com
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本記事は業界メディア等の報道をもとに、Proglenth編集部が独自に見出し・要約・解説を加えて整理したものです。正確性には努めていますが、最終的な仕様・条件は各社の公式情報・一次情報をご確認ください。編集の考え方は編集方針に記載しています。

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