欧州投資銀行(EIB)と欧州委員会が、コロンビアのバイオ医薬品メーカー VaxThera への融資を発表しました。2026年9月24日、国連総会ハイレベルウィークにあわせてニューヨークで行われた発表です。最大3,500万ユーロの融資枠のうち、第1弾となる1,500万ユーロのベンチャーローンを実行し、VaxTheraがコロンビア国内に持つ一貫製造拠点の第2期拡張を後押しします。
液剤・凍結乾燥製剤をあわせて年2億5,000万回分へ
融資は、建設・設備据付・バリデーションといった工程に充てられます。拡張が完了すると、VaxTheraは液剤・凍結乾燥製剤のワクチンやバイオ医薬品を平時に年間最大2億5,000万回分、有事(パンデミック対応)モードでは6億〜7億回分まで製造できる体制を目指すとされています。あわせて、研究開発中のワクチン候補3品目を対象とした150万ユーロの技術支援グラントも付随します。
この融資は、欧州委員会の対外投資戦略「Global Gateway」を通じた支援に基づくもので、欧州対外持続可能開発基金プラス(EFSD+)の保証で裏付けられています。欧州委員会の国際パートナーシップ担当委員であるJozef Síkela氏は、「グローバルな保健の強靭性は、投資・イノベーション・持続的なパートナーシップを通じて、現地で築かれなければなりません」と述べています。
コロンビアを南米のワクチン拠点にする狙い
VaxTheraの最高経営責任者を務めるJorge Emilio Osorio教授は、「EIBの支援は、コロンビアに統合されたワクチンの研究・製造能力を築くという私たちの野心にとって、重要な一歩です」と述べています。VaxTheraは、コロンビアの保険大手SURAグループの一員で、南米地域が輸入ワクチンへの依存を減らし、地域内でのワクチン供給網を確保することを目指す企業です。ラテンアメリカの多くの国は、これまでワクチンの大半を域外からの輸入に頼ってきました。域内に商業スケールの一貫製造拠点を持つことは、供給網の途絶や価格変動に対する耐性を高めることにつながります。
もっとも、残る2,000万ユーロの融資枠がいつ実行されるか、拡張工事の具体的な完了時期は、今回の発表では示されていません。融資の実行はあくまで第1弾であり、拡張の完成は今後の工程進捗にかかっています。
南米で輸入に頼ってきたワクチン供給網に、域内で完結する製造拠点を作る。その最初の資金が動き始めました。
※ 本ページは2026年9月24日の発表をもとにした紹介です。融資条件・拡張計画の詳細は公式情報をご確認ください。