Lonzaは10月29日、スイスVispのバイオコンジュゲーション(抗体に薬物を結合させる工程)の製造能力をさらに広げると発表した。すでに発表していた大規模の拡張を3つのマルチプロダクト・スイートの構成とし、2028年からの稼働を見込む。あわせて既存の中規模スイートを500Lのシングルユースの標準プラットフォームに改修し、2027年の完了を予定する。
中規模スイートは500Lシングルユースに改修、結合工程そのものの設備
今回の発表は、6月に発表したペイロード・リンカーの増産とは別で、抗体と薬物をつなぐ結合工程そのものの設備に関わる。中規模スイートには500Lのシングルユース設備に加え、クロマトグラフィーの能力と並行製造の能力を足す。同社は、キャンペーンの切り替えが速くなり、計画を組み替えやすくなり、受けられるADC・バイオコンジュゲートの幅が広がるとしている。
ステンレスの設備では、品目を替えるたびに洗浄と残留の確認を積み直す。コンジュゲーションはペイロードとリンカーが品目ごとに違うため、この確認が切り替え時間の大きな部分を占め、流路を使い捨てにすると考え方が変わる(シングルユースとステンレス設備の選び方)。高薬理活性の薬物を扱う以上、封じ込めの等級と作業手順はどちらの形でも残る。
大規模は最大1,200Lの3スイート、ステンレスとシングルユースを併用
新しい大規模施設はVispの製造コンプレックス内で建設中で、細胞毒性のある品目と無い品目の両方を扱うマルチプロダクト・スイートを3室置く。同社によると、ステンレスとシングルユースの両方で製造し、規模は最大1,200L、稼働は2028年からの見込み。同社は、臨床開発から商用供給までつながる製造の道筋になるとしている。
コンジュゲーションは薬物の添加・混合条件でDARの分布が動く。スケールアップのたびに同じ分布に収まるかを見直すため、設備の形式が変わらないほど見直す範囲は狭くなり、技術移転の負担も軽くなる方向だ。Advanced Synthesis責任者のChristian Seufert氏は、ADCなどが商用化へ進むほど、顧客は開発品の進み方に合わせて製造能力が増えることを確かめたいと述べている。
委託側は2027年と2028年の時間差を踏まえて枠を検討
中規模の改修は2027年の完了予定、商用の能力は2028年からの見込みで、申請用ロットと初回商用ロットをどこで作るかは、この時間差を踏まえて決めることになる。スイートはマルチプロダクトの造りのため、商用化の時期が重なれば枠の取り合いも起こり得る。長期契約で枠を押さえる判断が出てくる背景にも、この時間差がある。
委託側が確かめる点は、改修後の設備で既存工程をそのまま走らせられるか、商用スイートの枠をいつから押さえられるか、細胞毒性のある品目とスイートを共有する際の管理の形の3つだ。
※ 本ページは2026年10月29日のLonzaの発表をもとにした紹介です。詳細・数値は一次情報もあわせてご確認ください。