バイオ医薬品向け資材大手の Avantor が、9月17日、シングルユース資材ブランド「RIM」の供給範囲をアジア太平洋(APAC)地域全体に広げると発表しました。バッグやアセンブリ、チューブといった消耗品だけでなく、混合・保管用のハードウェアも対象に含めています。原薬・原料の調達だけでなく、培養や精製で使う使い捨て資材そのものの供給元を、地域内に確保しておきたいという声に応える動きです。
買収から5年、供給網の中核に据えた工場
RIMは、2009年に設立された中国の資材メーカー「RIM Bio」を、Avantorが2021年に買収して手に入れたブランドです。RIM Bioは、抗体医薬やワクチン、細胞・遺伝子治療薬の製造に使うシングルユースバッグやアセンブリを、単体部材から複数のバッグを束ねたマニホールドまで幅広く手がけてきました。製造を担う中国・常州の工場は延べ床面積2,600平方メートルで、20年を超える設計・製造の実績を持ち、ISO 9001:2015認証を取得したうえでGMP(適正製造基準)に沿って運用されています。買収から5年が経ち、この工場をAvantorのAPAC地域における自社製造拠点の中核として、あらためて前面に押し出した形です。
「近くで作る」を掲げる理由
Avantorでアジア太平洋地域のバイオプロセシング事業を統括するグラディス・ワン副社長は、「APAC地域の顧客は、自分たちの製造ニーズに近い場所で頼れるシングルユース資材を求めています。RIMの供給範囲を地域全体に広げることで、地域内での製造ならではの機動力と、Avantorが世界共通で運用する品質システムの両方を、顧客が受け取れるようにしています」と述べています(発言は編集部訳)。シングルユース資材は輸送に時間もコストもかかるため、需要地に近い工場を持つかどうかが、供給の目詰まりを避けられるかどうかを左右します。今回の発表は、Avantorが掲げる事業立て直し策「Revival」戦略の一環でもあり、地域ごとの製造体制を商業面の実行力に結びつける取り組みの一つに位置づけられています。もっとも、対応可能な生産能力の上限や、増産にかかる期間までは今回の発表からは分かりません。
原薬や培地の地産地消が語られることは多い一方、バッグやチューブといった「つなぐ資材」の供給網も同じ制約を抱えています。RIMの拡大は、その資材の側で地域完結を進める動きです。
※ 本ページは公開情報をもとにしたProglenth編集部による整理です。詳細・数値は一次情報もあわせてご確認ください。