フローサイトメトリーの Cytek Biosciences が、デジタル基盤「Cytek Cloud」に新機能「Cloud Analysis」を追加したと発表しました。2026年9月23日、GlobeNewswireを通じた発表です。パネル設計から装置での取得、そしてデータ解析までを1つの環境でつなぐ、業界初とうたうエンドツーエンドのフローサイトメトリー基盤という位置づけです。
システムを行き来せずに、解析まで進める
これまでのフローサイトメトリーでは、パネルを設計するソフト、装置で取得したデータを解析するソフト、結果を保存・共有する場所がそれぞれ分かれていることが珍しくありませんでした。装置間・ソフト間でファイルを持ち回るたびに、作業のやり直しが発生します。Cytek Cloudは2022年の発足以来、この行き来を1つのクラウド環境にまとめる方向で機能を広げてきました。Cloud Analysisはその最後のピースにあたり、取得したデータをクラウド上でそのまま解析できるようにします。
CEOのWenbin Jiang氏は、「研究者は、システムを切り替えたりワークフローを中断したりすることなく、実験設計とデータ取得から解析まで、シームレスに進められるべきです」と述べ、今回の拡張を「Cytek Cloudを、フローサイトメトリーのワークフロー全体を最初から最後まで支えるデジタルエコシステムにするというビジョンにとって重要な一里塚」と位置づけています。
28,000人超が使う基盤に、有償プランを追加
Cytek Cloudはこれまでに28,000人超のユーザーを集めてきたとされています。今回の発表にあわせて、クラウド上での解析と保存に対応する上位プラン「Premium」を含む、新しいサブスクリプション階層も導入されました。無料の基本機能と、より高度な解析・保存機能を有償プランで切り分ける構成です。
フローサイトメトリーは、細胞治療の重要品質特性(CQA)の評価や抗体のエフェクター機能の解析など、細胞・遺伝子治療の出荷試験や特性解析で日常的に使われる手法です。パネルは年々多色化しており、取得後の解析にかかる時間と、施設間でのプロトコルの再現性が実務上の負担になりやすい領域でした。解析までをクラウドに寄せる今回の動きは、この負担を装置の外へ移す試みと言えます。
もっとも、クラウド上でのデータ解析は、施設の情報セキュリティ方針やGxP環境でのデータ完全性の要件と整合させる必要があり、規制対象の製造・試験データをどこまでクラウドに載せられるかは施設ごとの判断になります。
取得と解析を1つのクラウドに寄せる設計は使い勝手を上げますが、規制対象データをどこまで載せるかは、導入する側の判断に委ねられています。
※ 本ページは2026年9月23日の発表をもとにした紹介です。機能範囲・料金体系の詳細は公式情報をご確認ください。