米国の細胞・遺伝子治療のCDMOであるAndelyn Biosciencesは10月6日、英国とオランダに本拠を置くPQP Groupと戦略的に提携すると発表しました。米国でつくった細胞・遺伝子治療の治験薬を、EUと英国の臨床試験施設へ届けるまでの手続きを一つの流れにまとめます。PQPは、域外で製造された医薬品を輸入して出荷を判定する「適格者(QP、Qualified Person)」のサービスを手がける会社です。治験依頼者(スポンサー)との窓口はAndelynが一本で担います。契約の期間や金額、対象とする品目は公表していません。
域外でつくった治験薬に要るQPの判定
EUや英国の外でつくった医薬品を現地の治験で使うには、製造と輸入の許可をもつ事業者が輸入し、QPが出荷を判定する段取りを経ます。PQPはこの許可をもち、各国の治験承認(CTA)に沿った供給を支えています。
今回の枠組みでPQPが受け持つのは、QPによる製造所の監査報告と宣言、出荷判定の基準をまとめた製品仕様書(PSF)の作成、治験薬の品質資料(IMPD)とバッチ記録の確認、そしてバッチごとの出荷判定です。輸入者の名義を引き受ける業務や通関、輸入許可、現地での保管、配送まで含みます。Andelynの側は、開発と製造、品質管理、供給の管理をこの流れにつなげます。両社は、標準の手順をつくる準備作業をすでに終えたとしています。
米国のCDMOに製造を任せたスポンサーが欧州で治験を行うと、欧州側の輸入者やQPとも別に契約し、両者の間で資料や監査の結果をつながなければなりません。両社は今回の形を、スポンサーが関係先や委託先を増やさずに済む、つながった供給網だと説明しています。
米国製の遺伝子治療が欧州へ渡る経路
対象には、治験用だけでなく商用の遺伝子治療も含みます。Andelynは9月18日、自社のAAV製造基盤「Curator」でつくった遺伝子治療として初めて、FDA承認品の商用製造に入ったと発表したばかりです。PQPの共同創業者でQPのステファン・クロフト氏は、スポンサーが「輸入、出荷判定、臨床用の製品の配送という重要な段階を乗り越える」のを助けると述べています(発言は編集部訳)。
両社はいずれも、10月5〜8日に米フェニックスで開かれた細胞・遺伝子治療の業界会議「Meeting on the Mesa」に参加しました。ウイルスベクターのCDMOを選ぶ際に、製造の能力だけでなく、欧州での治験に向けた輸入と出荷判定の経路をもっているかも、比べる項目に入ってきたことがうかがえます。
米国でつくった遺伝子治療をEUや英国の治験で使うには、製造とは別に、現地のQPによる出荷判定と輸入の手続きが要ります。今回の提携は、その手続きをCDMOの窓口ひとつで受けられるようにするものです。
※ 本ページは2026年10月6日のAndelyn Biosciencesの発表を伝えた、10月8日のContract Pharmaの報道をもとにした紹介です。詳細・数値は一次情報もあわせてご確認ください。