凍結乾燥機(フリーズドライヤー)を手がける IMA Life North America が、9月29日、米ニューヨーク州タナワンダに新工場を開き、落成式を行いました。投資額は3000万ドル(約45億円)で、延べ床面積は約12万平方フィート(約1万1000平方メートル)あります。従来の6万平方フィートの拠点からちょうど倍に広げ、医薬品メーカー向けの凍結乾燥機の開発・組立・出荷の能力を増やします。IMAグループにとって、イタリア国外では最大の投資です。
倍の床面積と、3つの生産ベイ
新工場は、生産スペースが9万平方フィート(約8,400平方メートル)、オフィスが3万平方フィート(約2,800平方メートル)です。開発用のラボと3つの生産ベイ、倉庫を備え、凍結乾燥機の開発から組立、試験、出荷までを1か所でこなします。IMAライフの北米本部もここに置きます。既存の拠点から約120人が移り、2年以内にさらに30人ほどを雇って150人規模にする計画です。IMAグループで最高財務責任者を務めるセルジオ・マルツォ氏は、3000万ドルのこの投資がイタリア国外で同社として最大だと説明しました。装置そのものではなく、その装置を作る工場を倍にしたところに、今回の投資の性格が表れています。
需要を押し上げる抗体医薬とmRNAワクチン
凍結乾燥は、液体のままでは安定しない医薬品から水分を抜いて固め、保存の効く形にする工程です。凍結乾燥のサイクル設計は崩壊温度や乾燥時間の兼ね合いで時間がかかり、無菌の充填・仕上げのなかでも設備の取り合いが起きやすいところにあたります。抗体医薬やmRNAワクチンが広がり、液剤にするか凍結乾燥にするかの選択を迫られる製品も増えています。IMAライフは、Amgen、Merck、Moderna、Pfizerといった製薬大手に加え、Thermo Fisher Scientificのような受託製造(CDMO)を顧客に挙げています。この顧客構成は、同社北米部門の社長エルネスト・レンツィ氏が挙げたものです。新工場は生産能力を増やすだけでなく、開発用のラボを備え、凍結乾燥機の技術開発を速める拠点も兼ねます。顧客に名の挙がる大手がいずれも大量生産の注射剤や凍結乾燥製剤を抱えている点が、この工場拡張の背中を押しています。
凍結乾燥は、抗体やワクチンの製剤で設備のボトルネックになりやすい工程です。装置メーカーが北米の生産拠点を倍に広げるという判断が、この目詰まりの解消に間に合うのか。無菌製剤の増産を裏で支える設備投資が、どこまで需要の伸びに追いつけるかが問われます。
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