装置
2026.10.11•セルファイバ

セルファイバ、細胞ファイバ製造装置「Zeito」を日米で発売

装置

Photo: Logan Voss / Unsplash

セルファイバ⁠(東京)が2026年10月8日、細胞ファイバ製造装置「⁠Zeito™シリーズ⁠」2機種の正式販売を、日本と米国で同時に始めました。GMP対応の「Zeito™ Plus 細胞カプセル化システム」と、研究初期向けの卓上型「Zeito™ Lite」です。同社は2015年設立の東大発スタートアップで、米国では10月1日にフィラデルフィアで現地法人 CellFiber, Inc. を開いています。

ゲルの管で細胞を流れから守る構造

細胞ファイバは、髪の毛ほどの細さのアルギン酸ゲルのチューブに細胞を封入して育てる技術です。同社はこれを、閉鎖系で自動化でき、規模も広げやすい3D細胞培養の基盤と位置づけています。ゲルの殻が細胞と外側の流れのあいだに入るので、バイオリアクター内のせん断(流れが細胞を傷める力)を受けにくくなると考えられます。栄養と酸素は、ゲルの殻を通して届きます。

付着細胞を大量に増やす定番は、直径0.2 mmほどのビーズに細胞を貼り付けて撹拌槽で回すマイクロキャリア培養です。フラスコを並べずに済みますが、ビーズの表面の細胞は槽の流れを直接受けます。細胞ファイバは細胞を表面ではなく管の内側に置くので、守り方の考え方が違います。iPS細胞やMSC(間葉系幹細胞)のように、流れで傷みやすい細胞が使いどころです。

Zeito Plus は、2025年12月に「CellFiber Extruder」の名で量産型モデル機として発表された装置です。細胞入りのゲルのチューブは、一般に、中心に細胞の懸濁液、その外側にアルギン酸液、さらに外側に架橋液を同軸で流して作ります。専用のシングルユースキットと試薬キットを使い、無菌コネクターで培養バッグへ直接つなぐ構成です。洗浄の要らない使い捨ての流路で、細胞を外気に出さずバッグへ送れる点が、GMP製造で閉鎖系を組むときの利点です。Zeito Lite は旧称 CellFiber SSP の卓上機で、実現性の確認や新しい用途の探索に使います。

日米同時発売と黒字化の目標

日本経済新聞によると、同社は2028年度までに売上10億円以上と黒字化を目指します。米国法人は CIC Philadelphia に事務所と実験室を構え、製薬企業やバイオ企業、CDMO(医薬品の開発製造受託企業)、研究機関と組み、導入支援、プロセス開発、共同研究開発を進める方針です。対象に挙げるのは、iPS細胞、MSC、CAR-T細胞の製造です。細胞・遺伝子治療の企業が集まる土地に最初の海外拠点を置いたことから、装置を売る前に顧客の細胞で試す工程開発から入る狙いがうかがえます。米ロサンゼルスの Tidewave Bio とは、固形がん向けの免疫細胞を平面培養と細胞ファイバで比べる共同評価に今夏入りました。評価の先に進むかは、別途の合意次第です。

導入を考える側は、ファイバから細胞を取り出す工程と、封入に使うアルギン酸の品質管理を、自社の細胞で確かめる必要があります。

細胞を殻で守りながら増やす方式が、研究用から GMP 対応まで装置として揃いました。既存のマイクロキャリア培養と比べる材料は、各社の細胞で試した結果です。

※ 本ページは2026年10月8日のセルファイバの発表と、同月1日の米国法人開設の発表、日本経済新聞の報道をもとにした紹介です。詳細・数値は一次情報もあわせてご確認ください。

プレスリリース
prtimes.jp
プレスリリースを見る ↗

本記事は企業のプレスリリースをもとに、Proglenth編集部が独自に見出し・要約・解説を加えて整理したものです。正確性には努めていますが、最終的な仕様・条件は各社の公式情報・一次情報をご確認ください。編集の考え方は編集方針に記載しています。

ProgLoopで続きをこのニュース、現場ではどう受け止める?ProgLoopでは、製品ニュースに研究者・技術者がコメントを添えて共有しています。ProgLoopで見る

この記事に関連する工程

関連製品
関連記事
Newsletter

装置・試薬の新製品ニュースを、メールで

こうした製品ニュースと、製造・分析・品質の解説記事を月数回お届けします。登録は無料で、いつでも解除できます。

登録によりプライバシーポリシーに同意したものとみなします。

← 製品ニュースの一覧へ