ADCの研究・非臨床マップ
リンカー・ペイロード設計とDAR、遊離薬物の安全性評価まで。 探索・設計から安全性・非臨床まで、そのモダリティのやり方で通しで追えます。
探索・設計
狙う疾患メカニズムと標的を決め、モダリティ抗体・低分子・核酸・細胞治療など、医薬品の種類・創薬手法の区分。詳しく →を選び、分子・ベクター・細胞を設計して候補を絞り込みます。ここでの選択が、後段の評価の仕方をすべて規定します。
- やること(手法・実験)抗体標的に加えて内在化能とペイロード送達ゲノム編集ツールや核酸医薬などを標的細胞・組織まで安全かつ効率よく運ぶための技術・方法論の総称。詳しく →適性を重視。抗原量・内在化速度(受容体インターナリゼーションアッセイ)とバイスタンダー効果の可否を評価読み出し・指標標的発現量(抗原コピー数)、内在化率、腫瘍/正常組織の発現差(治療域)留意点低発現・低内在化だと有効域が狭い。正常組織発現がoff-tumor毒性に直結深掘り標的選定と疾患仮説
モダリティ選択
標的と適応に対して、どのモダリティ抗体・低分子・核酸・細胞治療など、医薬品の種類・創薬手法の区分。詳しく →が最も適しているか
やること(手法・実験)がん抗原に対する抗体をキャリアとし、リンカーで細胞傷害性ペイロードを連結します。抗原発現腫瘍へ選択的に薬物を送達ゲノム編集ツールや核酸医薬などを標的細胞・組織まで安全かつ効率よく運ぶための技術・方法論の総称。詳しく →し、内在化後にペイロードを放出します読み出し・指標抗原発現量に応じた腫瘍選択的な細胞傷害、治療域(治療係数)留意点リンカー安定性とオフターゲット放出のバランスが鍵になります。標的抗原の発現やバイスタンダー効果、正常組織毒性の管理が必要です深掘りモダリティ選択ガイド分子・ベクター・細胞設計
配列・抗原・LNPmRNAなどを包んで細胞へ届ける脂質の微粒子。全身投与では肝細胞に取り込まれやすい。・ベクター・細胞をどう設計するか(モダリティ抗体・低分子・核酸・細胞治療など、医薬品の種類・創薬手法の区分。詳しく →別の設計変数と目標)
やること(手法・実験)抗体・リンカー(切断型/非切断型)・ペイロード(多くは高活性の細胞毒)・コンジュゲーション部位(Lys/Cys/部位特異的)とDAR抗体薬物複合体(ADC)で、抗体1分子に結合した薬物の平均数です。効果と安全性を左右するため測定する指標です。詳しく →(薬物抗体比抗体薬物複合体(ADC)で、抗体1分子に結合した薬物の平均数です。効果と安全性を左右するため測定する指標です。詳しく →)を組み合わせて設計読み出し・指標DAR抗体薬物複合体(ADC)で、抗体1分子に結合した薬物の平均数です。効果と安全性を左右するため測定する指標です。詳しく →と均一性、リンカー血中安定性、ペイロード遊離挙動、バイスタンダー効果、治療係数深掘り分子・ベクター・細胞設計候補スクリーニング
候補分子・ベクター・細胞をどう絞り込むか(一次スクリーニングの設計)
やること(手法・実験)既存または新規抗体を土台に、リンカー・ペイロード・薬物抗体比抗体薬物複合体(ADC)で、抗体1分子に結合した薬物の平均数です。効果と安全性を左右するため測定する指標です。詳しく →(DAR抗体薬物複合体(ADC)で、抗体1分子に結合した薬物の平均数です。効果と安全性を左右するため測定する指標です。詳しく →)の組み合わせでコンジュゲート適性をスクリーニング。標的発現株/陰性株を用いたin vitro生きた動物の体外で、試験管やシャーレなどを用いて細胞・組織・分子レベルで行う実験を指す用語。詳しく →細胞傷害アッセイ(例:CellTiter-Glo等の生存率測定)で活性を評価。読み出し・指標細胞傷害活性(IC50)、標的依存性(陽性/陰性株の差)、内在化効率、DAR分布DAR0/2/4/6/8などの構成比。平均が同じでも分布の形しだいで製品の性質が変わる。詳しく →・均一性、コンジュゲート後の安定性留意点抗体単体の良否とコンジュゲート体の良否は一致しないため、コンジュゲート体で評価し直す前提で組むと判断を誤りにくいです。
薬効・作用機序
標的に結合し・細胞に入り・狙った作用が出るかを、細胞から動物モデルまでで確かめます。「効くか」の中身はモダリティ抗体・低分子・核酸・細胞治療など、医薬品の種類・創薬手法の区分。詳しく →ごとに大きく変わります。
結合・取り込み・発現評価
標的に結合し、細胞に入り、意図した分子効果(発現・ノックダウン)まで到達するか
やること(手法・実験)抗体部分の結合速度論はmAb単一のクローンに由来し、同じ標的部位を認識する均一な抗体。詳しく →同様にSPR金属薄膜表面での光の共鳴変化を利用し、分子同士の結合と解離をリアルタイムに測る手法です。抗体などの親和性評価に広く使われます。詳しく →/BLIセンサー先端に結合した分子の膜厚変化を光の干渉で捉え、抗体などの結合・解離のしやすさ(親和性)をリアルタイムで測る手法です。詳しく →で確認。加えて抗原依存的な内在化とリソソーム細胞内で不要なタンパク質などを分解する小器官。取り込まれた抗体の多くが最終的にここへ運ばれる。詳しく →への輸送、細胞内でのペイロード放出(トラフィッキング)を評価し、抗原発現量の異なる細胞株で結合・取り込みを比較。読み出し・指標KD、内在化率、抗原発現量に依存した結合・取り込み、(後段の)ペイロード放出- やること(手法・実験)標的抗原陽性/陰性細胞パネルでの細胞傷害アッセイ。抗原依存的な内在化→リンカー切断→ペイロード放出の連鎖を、抗原陰性細胞やコンジュゲートしない抗体を対照に確認。膜透過性化合物が細胞膜を透過する速さの指標。経口薬の吸収性の評価に使われる。詳しく →ペイロードではコカルチャーでバイスタンダー効果を評価読み出し・指標抗原陽性/陰性細胞での細胞生存率のIC50差、DAR抗体薬物複合体(ADC)で、抗体1分子に結合した薬物の平均数です。効果と安全性を左右するため測定する指標です。詳しく →と効力の関係、バイスタンダー傷害の有無深掘り中和・機能アッセイ
- やること(手法・実験)抗体と同様に標的発現腫瘍のゼノグラフトが中心ですが、抗原発現量の異なる細胞株パネルやペイロード感受性、バイスタンダー効果も評価します。リンカー・ペイロードの安定性や切断は種依存性があり、標的非依存の取り込みも確認します。読み出し・指標抗原発現量依存の細胞毒性・IC50、TGI・生存、ペイロード放出とバイスタンダー活性留意点オフターゲット毒性・ペイロード寄与の評価が薬効解釈に欠かせません。抗原発現の不均一性の影響にも注意が要ります深掘り薬効モデル評価
バイオマーカー・PD評価
作用が体内で起きているか(薬効・作用機序薬が効果を発揮する仕組み。抗体医薬ではADCCやCDCなどが該当し、アッセイで裏づける。詳しく →の発現)を、どのマーカーと測定法で読むか
やること(手法・実験)抗体側の標的結合(RO)に加え、放出ペイロードの薬理作用マーカーを評価。ペイロード機序に対応したマーカー(DNA損傷型ならγH2AX、微小管阻害型なら有糸分裂/アポトーシス細胞が遺伝的プログラムに従って自発的に死に至る過程で、壊死とは異なり膜の完全性が初期段階では保たれる。詳しく →指標など)をIHC/フローで測定。ペイロード濃度はLC-MS液体クロマトグラフで成分を分離したうえで質量分析計にかけ、分子量を測って物質の同定や定量を行う手法です。詳しく →/MSで定量読み出し・指標RO、ペイロード薬理マーカー(例:γH2AX等のDNA損傷マーカー、有糸分裂/アポトーシス細胞が遺伝的プログラムに従って自発的に死に至る過程で、壊死とは異なり膜の完全性が初期段階では保たれる。詳しく →指標)、遊離ペイロード濃度留意点抗体・コンジュゲート・遊離ペイロードを区別したバイオアナリシス設計が前提になります。どのマーカーを選ぶかはペイロードの作用機序薬が効果を発揮する仕組み。抗体医薬ではADCCやCDCなどが該当し、アッセイで裏づける。詳しく →(DNA損傷か微小管阻害か等)に依存します深掘りバイオマーカー・PD評価
PK/PD・曝露評価
血中濃度・半減期・作用持続を、モダリティ抗体・低分子・核酸・細胞治療など、医薬品の種類・創薬手法の区分。詳しく →ごとにどの分析物・どの手法で見るか
やること(手法・実験)複数分析物を並行測定します。総抗体(コンジュゲート+非コンジュゲート)と抗体薬物複合体標的を選ぶ抗体に、細胞傷害性の薬物(ペイロード)をリンカーでつないだ分子。詳しく →(コンジュゲート抗体)はリガンド結合アッセイ、遊離ペイロードはLC-MS液体クロマトグラフで成分を分離したうえで質量分析計にかけ、分子量を測って物質の同定や定量を行う手法です。詳しく →/MSで測定し、血中でのデコンジュゲーション(DAR抗体薬物複合体(ADC)で、抗体1分子に結合した薬物の平均数です。効果と安全性を左右するため測定する指標です。詳しく →推移)も追います読み出し・指標総抗体・コンジュゲート抗体・遊離ペイロードの各濃度、DAR抗体薬物複合体(ADC)で、抗体1分子に結合した薬物の平均数です。効果と安全性を左右するため測定する指標です。詳しく →の経時変化、ペイロード曝露留意点抗体成分と小分子ペイロードで消失挙動が異なるため、単一分析物では曝露と毒性を結びつけにくくなります組織分布・biodistribution
目的の組織・細胞に届いているか、そして不要な臓器(特に肝・脾や生殖腺)へ過度に集まっていないかを、組織別にどう定量するか。
やること(手法・実験)抗体部分・ペイロード・全ADC標的を選ぶ抗体に、細胞傷害性の薬物(ペイロード)をリンカーでつないだ分子。詳しく →を別々に追跡する設計が要点で、放射標識やLC-MS液体クロマトグラフで成分を分離したうえで質量分析計にかけ、分子量を測って物質の同定や定量を行う手法です。詳しく →/MSでリンカー切断後の遊離ペイロード分布も評価します。標的組織への送達ゲノム編集ツールや核酸医薬などを標的細胞・組織まで安全かつ効率よく運ぶための技術・方法論の総称。詳しく →と非標的組織でのペイロード曝露を切り分けます。読み出し・指標各アナライト(総抗体・結合体・遊離ペイロード)の組織別濃度、DAR抗体薬物複合体(ADC)で、抗体1分子に結合した薬物の平均数です。効果と安全性を左右するため測定する指標です。詳しく →関連の分布挙動留意点遊離ペイロードのオフターゲット分布が毒性標的(骨髄・肝・消化管等)の予測に効きます。深掘り組織分布評価
免疫原性・ADA
抗薬物抗体(ADA)投与した薬に対して患者の体内でできる抗体。効果や安全性に影響しうるため監視される。や免疫反応をどのモダリティ抗体・低分子・核酸・細胞治療など、医薬品の種類・創薬手法の区分。詳しく →でどう捉えるか
やること(手法・実験)mAb単一のクローンに由来し、同じ標的部位を認識する均一な抗体。詳しく →と同様の階層アッセイに加え、抗体部分・リンカー・ペイロード各ドメインへのADA特異性を分けて評価します。総抗体・結合抗体(コンジュゲート)・遊離ペイロードなど複数アナライトを測定するバイオアナリシス設計と組み合わせます読み出し・指標各ドメインへのADA、中和抗体、DAR抗体薬物複合体(ADC)で、抗体1分子に結合した薬物の平均数です。効果と安全性を左右するため測定する指標です。詳しく →(薬物抗体比抗体薬物複合体(ADC)で、抗体1分子に結合した薬物の平均数です。効果と安全性を左右するため測定する指標です。詳しく →)やペイロード曝露との関係留意点ペイロード/リンカーがハプテンとして働き新規エピトープを生む可能性を考慮します深掘り免疫原性・ADAオフターゲット・交差反応性
意図しない標的・組織・配列への作用を、モダリティ抗体・低分子・核酸・細胞治療など、医薬品の種類・創薬手法の区分。詳しく →ごとに適した方法で評価できているか
やること(手法・実験)抗原非依存の取り込みによる毒性を評価します。ペイロード・リンカー由来の毒性に加え、正常組織へのFcγR免疫細胞側にある抗体Fcの受け皿となる受容体。活性化型と抑制型があり、両者のバランスが効く。詳しく →やマクロピノサイトーシス等を介した非特異的取り込みを、抗原陰性細胞・組織や非結合対照ADC標的を選ぶ抗体に、細胞傷害性の薬物(ペイロード)をリンカーでつないだ分子。詳しく →との比較で検討します。読み出し・指標抗原陰性系での細胞毒性、主要毒性標的組織(骨髄・肝・角膜/眼など、ペイロードクラス依存)の所見留意点用量規定毒性の多くはペイロード由来で標的非依存に生じ得ます。ペイロードのクラス既知毒性を踏まえて設計します。深掘り組織交差反応性- やること(手法・実験)抗体骨格に加えペイロード由来のオフターゲット毒性を評価。関連動物種(S6(R1))での評価に加え、ペイロード/リンカーは小分子と同様に扱い、その遺伝毒性化合物が遺伝子や染色体を傷つける性質。点突然変異や染色体損傷を含み、複数の試験で分担して調べる。詳しく →・安全性薬理心血管・中枢神経・呼吸への急な影響を、臓器毒性とは別枠で見る評価(コア・バッテリー)。詳しく →を検討。多くは抗がんでS9枠組み。読み出し・指標骨髄抑制・肝毒性など標的臓器、HNSTD、遊離ペイロードのTK、可逆性留意点毒性は標的非依存のペイロード毒性が支配的なことが多い。切断(cleavable)リンカーは全身の遊離ペイロード曝露に留意深掘り毒性・安全性薬理
初回投与量設計
ヒト初回投与量(FIH)をどの根拠から設計するか
やること(手法・実験)抗体部分の標的薬理と、切断されるペイロード(多くは細胞毒)の全身毒性を分けて評価。抗がん剤ではICH S9進行がん治療薬に特化した非臨床評価に関する国際ガイドラインで、対象患者の状況を踏まえた安全性試験の実施範囲・時期を規定している。詳しく →に沿い、非げっ歯類HNSTDの1/6またはげっ歯類STD10の1/10を開始用量の主根拠とし、ペイロード毒性を規定要因とする。読み出し・指標HNSTD/STD10、DAR抗体薬物複合体(ADC)で、抗体1分子に結合した薬物の平均数です。効果と安全性を左右するため測定する指標です。詳しく →、遊離ペイロード曝露留意点多くが腫瘍領域でICH S9進行がん治療薬に特化した非臨床評価に関する国際ガイドラインで、対象患者の状況を踏まえた安全性試験の実施範囲・時期を規定している。詳しく →適用。ペイロード由来の血液毒性等がDLTになりやすい。深掘り初回投与量設計