AAV(遺伝子治療)Research × Nonclinical

AAV(遺伝子治療)の研究・非臨床マップ

血清型・カプシド選択、組織分布と中和抗体・肝毒性の評価。 探索・設計から安全性・非臨床まで、そのモダリティのやり方で通しで追えます。

15トピック136装置・試薬の代表例4ワークストリーム

探索・設計

狙う疾患メカニズムと標的を決め、モダリティ抗体・低分子・核酸・細胞治療など、医薬品の種類・創薬手法の区分。を選び、分子・ベクター・細胞を設計して候補を絞り込みます。ここでの選択が、後段の評価の仕方をすべて規定します。

  1. 標的選定・疾患仮説

    どの疾患メカニズム・分子を標的として狙うか(モダリティ抗体・低分子・核酸・細胞治療など、医薬品の種類・創薬手法の区分。に応じた標的選定疾患を治すために介入すべき分子や細胞(標的)を選ぶ、創薬の最初の工程。

    やること(手法・実験)単一遺伝子欠損の遺伝子補充や導入遺伝子ベクターで細胞に運んで働かせる目的の遺伝子。発現目的タンパク質をコードする遺伝子を宿主細胞内で転写・翻訳させ、機能的なタンパク質として産生させる工程。を狙う。導入カセットがパッケージング必要な部品遺伝子を細胞に導入し、ウイルスベクター粒子を組み立てさせる製造工程。上限(ITRAAVゲノムの両端にある逆位末端反復配列。複製とパッケージングのシグナルとして働き、この間の配列がカプシドに詰め込まれる。を含めて概ね~4.7〜5kb)に収まるか、標的組織へのトロピズムウイルスベクターが特定の組織・細胞に向かう指向性。AAVでは血清型ごとに異なる。血清型AAVのカプシドの種類による分類。組織指向性が異なり、狙う臓器や細胞に応じて選び分けられる。選択)と疾患組織が一致するかを評価
    読み出し・指標原因遺伝子のヒト遺伝学ヒトの遺伝子変異と疾患の関連から標的の妥当性を評価する証拠。種差を避け因果に近い示唆を得る。的裏づけ、標的組織での発現目的タンパク質をコードする遺伝子を宿主細胞内で転写・翻訳させ、機能的なタンパク質として産生させる工程。・トロピズム、必要発現量細胞が目的のタンパク質を作る量。低いと必要量の確保に手間がかかり、製造コストが上がる。と持続
    留意点大遺伝子はパッケージング必要な部品遺伝子を細胞に導入し、ウイルスベクター粒子を組み立てさせる製造工程。制約。単回投与が基本で、既存中和抗体ウイルスベクターのカプシドなどに結合し、細胞に届く前に働きを失わせる抗体。再投与の壁になる。・組織到達性が実現可能性を左右
    深掘り標的選定と疾患仮説
  2. モダリティ選択

    標的と適応に対して、どのモダリティ抗体・低分子・核酸・細胞治療など、医薬品の種類・創薬手法の区分。が最も適しているか

    やること(手法・実験)AAVベクターアデノ随伴ウイルスを改変して治療用遺伝子を細胞へ運ぶために用いる、非病原性の遺伝子導入用ウイルス粒子。導入遺伝子ベクターで細胞に運んで働かせる目的の遺伝子。送達ゲノム編集ツールや核酸医薬などを標的細胞・組織まで安全かつ効率よく運ぶための技術・方法論の総称。し、単回投与で長期の持続発現目的タンパク質をコードする遺伝子を宿主細胞内で転写・翻訳させ、機能的なタンパク質として産生させる工程。をめざします。非分裂細胞(肝細胞・神経・網膜・筋)で特に有利で、血清型AAVのカプシドの種類による分類。組織指向性が異なり、狙う臓器や細胞に応じて選び分けられる。・カプシド選択で指向性を設計します
    読み出し・指標単回投与での長期・持続的な導入遺伝子ベクターで細胞に運んで働かせる目的の遺伝子。発現目的タンパク質をコードする遺伝子を宿主細胞内で転写・翻訳させ、機能的なタンパク質として産生させる工程。
    留意点既存の抗AAV遺伝子治療で遺伝子を運ぶウイルスベクター。血清型によって集まりやすい組織が異なる。中和抗体ウイルスベクターのカプシドなどに結合し、細胞に届く前に働きを失わせる抗体。再投与の壁になる。により適応患者が制限され、カプシドウイルスの遺伝物質を包むタンパク質の殻。AAVでは直径数十ナノメートルの正二十面体の構造をとる。への免疫応答から基本的に再投与が難しくなります。積載容量(約4.7kb)にも上限があります
    深掘りモダリティ選択ガイド
  3. 分子・ベクター・細胞設計

    配列・抗原・LNPmRNAなどを包んで細胞へ届ける脂質の微粒子。全身投与では肝細胞に取り込まれやすい。・ベクター・細胞をどう設計するか(モダリティ抗体・低分子・核酸・細胞治療など、医薬品の種類・創薬手法の区分。別の設計変数と目標)

    やること(手法・実験)血清型AAVのカプシドの種類による分類。組織指向性が異なり、狙う臓器や細胞に応じて選び分けられる。の選択・カプシド改変(指向性進化突然変異・選択を繰り返す人工的な進化プロセスにより、目的の性質を持つタンパク質や遺伝子を創出する手法。合理設計構造・機能に関する既存の知見をもとに、どの残基をどう変えれば目的の性質が得られるかを予測して配列を設計するアプローチ。)による組織指向性ウイルスベクターが特定の組織や細胞に取り込まれやすい性質。AAVではカプシドの血清型で変わる。中和抗体ウイルスベクターのカプシドなどに結合し、細胞に届く前に働きを失わせる抗体。再投与の壁になる。回避、プロモーターRNAポリメラーゼが結合して転写を開始するDNA上の特定の塩基配列領域。選択、導入遺伝子ベクターで細胞に運んで働かせる目的の遺伝子。カセット設計(パッケージ容量 約4.7 kb以内に収める。ITRAAVゲノムの両端にある逆位末端反復配列。複製とパッケージングのシグナルとして働き、この間の配列がカプシドに詰め込まれる。分を含む点に留意)
    読み出し・指標標的組織への形質導入ウイルスベクターを介して細胞に外来遺伝子を導入すること。導入細胞の割合が形質導入効率として評価される。効率・組織特異性分析法において、共存する不純物・分解物・添加剤などが存在しても目的成分だけを正確に測定できる能力。導入遺伝子ベクターで細胞に運んで働かせる目的の遺伝子。発現量細胞が目的のタンパク質を作る量。低いと必要量の確保に手間がかかり、製造コストが上がる。、既存中和抗体ウイルスベクターのカプシドなどに結合し、細胞に届く前に働きを失わせる抗体。再投与の壁になる。の回避、ベクター収量・空/実比遺伝子を積んだ実カプシドと、中身が空の殻の割合。空が多いほど無駄な粒子が増え、免疫応答の懸念にもなる。
    留意点大きな導入遺伝子ベクターで細胞に運んで働かせる目的の遺伝子。はデュアルベクター等の工夫が要。プロモーターRNAポリメラーゼが結合して転写を開始するDNA上の特定の塩基配列領域。/エンハンサーの選択で発現目的タンパク質をコードする遺伝子を宿主細胞内で転写・翻訳させ、機能的なタンパク質として産生させる工程。の組織特異性分析法において、共存する不純物・分解物・添加剤などが存在しても目的成分だけを正確に測定できる能力。と持続を設計。既存中和抗体ウイルスベクターのカプシドなどに結合し、細胞に届く前に働きを失わせる抗体。再投与の壁になる。は対象患者選択に影響し、抗カプシドウイルスの遺伝物質を包むタンパク質の殻。AAVでは直径数十ナノメートルの正二十面体の構造をとる。免疫応答のため実質的に再投与が難しく単回投与を前提に設計する点も論点
    深掘り分子・ベクター・細胞設計
  4. 候補スクリーニング

    候補分子・ベクター・細胞をどう絞り込むか(一次スクリーニング多数の抗体クローンから、次段に進める候補を結合・発現・多様性で手早く絞り込む初期の選抜作業。の設計)

    やること(手法・実験)カプシドライブラリを構築し、各変異体にバーコードを付してプールでin vivo生きた動物の体内で試験を行うこと。物質が吸収・代謝を受けた実際の状態での影響を見られる。投与、次世代シークエンシングで組織移行薬が血液から組織へ移り分布すること。脂溶性やイオン化、組織結合の強さで移りやすさが決まる。性を並列評価(バーコードスクリーニング)。個別カプシドウイルスの遺伝物質を包むタンパク質の殻。AAVでは直径数十ナノメートルの正二十面体の構造をとる。はレポーター導入で形質導入ウイルスベクターを介して細胞に外来遺伝子を導入すること。導入細胞の割合が形質導入効率として評価される。効率を確認。
    読み出し・指標標的組織/非標的組織へのバーコード濃縮比、形質導入ウイルスベクターを介して細胞に外来遺伝子を導入すること。導入細胞の割合が形質導入効率として評価される。効率(導入遺伝子ベクターで細胞に運んで働かせる目的の遺伝子。発現目的タンパク質をコードする遺伝子を宿主細胞内で転写・翻訳させ、機能的なタンパク質として産生させる工程。)、ベクターゲノム分布、産生収量・中和抗体ウイルスベクターのカプシドなどに結合し、細胞に届く前に働きを失わせる抗体。再投与の壁になる。感受性
    留意点動物種でカプシドウイルスの遺伝物質を包むタンパク質の殻。AAVでは直径数十ナノメートルの正二十面体の構造をとる。指向性が変わりやすく、種特異性分析法において、共存する不純物・分解物・添加剤などが存在しても目的成分だけを正確に測定できる能力。を踏まえて読み替える前提が要ります。in vivo生きた動物の体内で試験を行うこと。物質が吸収・代謝を受けた実際の状態での影響を見られる。は動物福祉(3Rs動物実験を代替・削減・洗練する原則。使用を必要最小限にとどめる考え方。)の配慮が前提です。
    深掘り候補スクリーニング(抗体)

薬効・作用機序

標的に結合し・細胞に入り・狙った作用が出るかを、細胞から動物モデルまでで確かめます。「効くか」の中身はモダリティ抗体・低分子・核酸・細胞治療など、医薬品の種類・創薬手法の区分。ごとに大きく変わります。

  1. 結合・取り込み・発現評価

    標的に結合し、細胞に入り、意図した分子効果(発現目的タンパク質をコードする遺伝子を宿主細胞内で転写・翻訳させ、機能的なタンパク質として産生させる工程。・ノックダウン)まで到達するか

    やること(手法・実験)目的細胞にベクターを添加し、MOI細胞1個あたりに接触させるウイルスやベクターの量の比。形質導入の効率やベクターコピー数を左右する条件。(vg/cell)を振って形質導入ウイルスベクターを介して細胞に外来遺伝子を導入すること。導入細胞の割合が形質導入効率として評価される。効率を評価。導入遺伝子ベクターで細胞に運んで働かせる目的の遺伝子。産物の発現目的タンパク質をコードする遺伝子を宿主細胞内で転写・翻訳させ、機能的なタンパク質として産生させる工程。を、レポーター(GFP等)ならフロー、目的タンパクならELISA抗原と抗体の結合を酵素反応による発色などで検出し、目的の物質の有無や量を測る手法です。不純物や力価の測定に広く使われます。詳しく →・ウエスタン・活性アッセイで定量。血清型AAVのカプシドの種類による分類。組織指向性が異なり、狙う臓器や細胞に応じて選び分けられる。・カプシドによる指向性(トロピズムウイルスベクターが特定の組織・細胞に向かう指向性。AAVでは血清型ごとに異なる。)も比較。
    読み出し・指標形質導入率遺伝子・細胞治療で、細胞1個あたりに組み込まれたベクターの平均コピー数です。導入効率や安全性を見る指標です。詳しく →(%)、導入遺伝子ベクターで細胞に運んで働かせる目的の遺伝子。発現量細胞が目的のタンパク質を作る量。低いと必要量の確保に手間がかかり、製造コストが上がる。MOI細胞1個あたりに接触させるウイルスやベクターの量の比。形質導入の効率やベクターコピー数を左右する条件。依存性、血清型AAVのカプシドの種類による分類。組織指向性が異なり、狙う臓器や細胞に応じて選び分けられる。ごとの指向性
    留意点in vitro生きた動物の体外で、試験管やシャーレなどを用いて細胞・組織・分子レベルで行う実験を指す用語。形質導入ウイルスベクターを介して細胞に外来遺伝子を導入すること。導入細胞の割合が形質導入効率として評価される。効率とin vivo生きた動物の体内で試験を行うこと。物質が吸収・代謝を受けた実際の状態での影響を見られる。の指向性は必ずしも一致しないため、in vitroは相対比較・スクリーニング目的と位置づけるのが妥当です。既存中和抗体ウイルスベクターのカプシドなどに結合し、細胞に届く前に働きを失わせる抗体。再投与の壁になる。の影響はin vivo・臨床で別途評価されます。
    深掘り結合速度論(SPR/BLI)
  2. 機能アッセイ・MoA確認

    狙った作用機序(MoA)薬がどのように効くかの仕組み。力価試験はできる限りこれを反映した活性を測る。が細胞・組織レベルで実際に発現目的タンパク質をコードする遺伝子を宿主細胞内で転写・翻訳させ、機能的なタンパク質として産生させる工程。し、期待する効力(EC50応答を半分まで立ち上げる濃度のことで、作動薬など活性化系の効力指標に使う。/IC50対象の働きを半分に抑えるのに必要な薬物濃度で、値が小さいほど強く阻害する。hERG阻害の強さを表す。)を示すか

    やること(手法・実験)導入遺伝子ベクターで細胞に運んで働かせる目的の遺伝子。産物による欠損機能の回復を、患者由来細胞・疾患モデル細胞やレポーター系で確認。分泌型なら培地細胞を体外で生存・増殖させるために必要な栄養・エネルギー源・成長因子などを含む液体または固体の環境基盤。中活性、細胞内酵素なら基質代謝、構造/チャネルタンパクなら機能回復アッセイ。感染力価ウイルスベクターが実際に細胞へ感染する能力を表す力価。TCID50などのアッセイで測る。(機能的力価)と併せて評価
    読み出し・指標導入遺伝子ベクターで細胞に運んで働かせる目的の遺伝子。産物の機能回復度、MOI細胞1個あたりに接触させるウイルスやベクターの量の比。形質導入の効率やベクターコピー数を左右する条件。あたりの発現目的タンパク質をコードする遺伝子を宿主細胞内で転写・翻訳させ、機能的なタンパク質として産生させる工程。・機能、機能的力価(vgに対する活性)
    留意点物理力価粒子が物理的にいくつあるかを測った力価。感染性の有無は問わず、p24やベクターRNAの量から求める。(vg)と感染/機能力価実際に細胞へ遺伝子を届けられた粒子を数える力価。効き目に最も近く、TUやVCN、陽性率から求める。の乖離に注意します。血清型AAVのカプシドの種類による分類。組織指向性が異なり、狙う臓器や細胞に応じて選び分けられる。により指向性・形質導入ウイルスベクターを介して細胞に外来遺伝子を導入すること。導入細胞の割合が形質導入効率として評価される。効率が異なります。(モダリティ抗体・低分子・核酸・細胞治療など、医薬品の種類・創薬手法の区分。差)既存の中和抗体過去のウイルス感染などにより治療前からすでに体内に存在する中和抗体。が形質導入を妨げ得、抗キャプシド免疫により実質的に単回投与が前提となります
    深掘り中和・機能アッセイ
  3. 薬効モデル評価

    in vitro生きた動物の体外で、試験管やシャーレなどを用いて細胞・組織・分子レベルで行う実験を指す用語。・オルガノイド・動物モデルで薬効(作用機序薬が効果を発揮する仕組み。抗体医薬ではADCCやCDCなどが該当し、アッセイで裏づける。に沿った効果)を示せるか

    やること(手法・実験)in vitro生きた動物の体外で、試験管やシャーレなどを用いて細胞・組織・分子レベルで行う実験を指す用語。で導入・発現目的タンパク質をコードする遺伝子を宿主細胞内で転写・翻訳させ、機能的なタンパク質として産生させる工程。を確認し、in vivo生きた動物の体内で試験を行うこと。物質が吸収・代謝を受けた実際の状態での影響を見られる。は対象組織への指向性(トロピズムウイルスベクターが特定の組織・細胞に向かう指向性。AAVでは血清型ごとに異なる。)と導入効率、導入遺伝子ベクターで細胞に運んで働かせる目的の遺伝子。の機能を評価します。血清型AAVのカプシドの種類による分類。組織指向性が異なり、狙う臓器や細胞に応じて選び分けられる。のトロピズムや受容体利用に種差があり、疾患モデル(ノックアウト遺伝子を機能破壊する編集。切断後のNHEJで生じるインデルが読み枠をずらして機能を失わせる。/変異動物、必要に応じ大型動物)で機能回復を見ます。プロモーターRNAポリメラーゼが結合して転写を開始するDNA上の特定の塩基配列領域。の種間差にも注意します。
    読み出し・指標ベクターゲノムコピー数・導入遺伝子ベクターで細胞に運んで働かせる目的の遺伝子。発現目的タンパク質をコードする遺伝子を宿主細胞内で転写・翻訳させ、機能的なタンパク質として産生させる工程。、標的組織での機能回復(表現型分子が標的に結合するかなど、実際に現れる働き・性質のこと。是正)、発現持続
    留意点血清型AAVのカプシドの種類による分類。組織指向性が異なり、狙う臓器や細胞に応じて選び分けられる。のトロピズム・既存中和抗体ウイルスベクターのカプシドなどに結合し、細胞に届く前に働きを失わせる抗体。再投与の壁になる。・プロモーター活性に種差があります。単回投与が前提となりやすく、げっ歯類の結果が霊長類・ヒトに外挿しにくいことがあります
    深掘り薬効モデル評価
  4. バイオマーカー・PD評価

    作用が体内で起きているか(薬効・作用機序薬が効果を発揮する仕組み。抗体医薬ではADCCやCDCなどが該当し、アッセイで裏づける。発現目的タンパク質をコードする遺伝子を宿主細胞内で転写・翻訳させ、機能的なタンパク質として産生させる工程。)を、どのマーカーと測定法で読むか

    やること(手法・実験)導入遺伝子ベクターで細胞に運んで働かせる目的の遺伝子。(transgene)産物の発現目的タンパク質をコードする遺伝子を宿主細胞内で転写・翻訳させ、機能的なタンパク質として産生させる工程。とその持続を評価。血中/組織のtransgene産物タンパクをELISA抗原と抗体の結合を酵素反応による発色などで検出し、目的の物質の有無や量を測る手法です。不純物や力価の測定に広く使われます。詳しく →LC-MS液体クロマトグラフで成分を分離したうえで質量分析計にかけ、分子量を測って物質の同定や定量を行う手法です。詳しく →で定量し、ベクターゲノムコピー数・mRNA発現をqPCR核酸を増幅しながら蛍光の増え方を追い、標的DNA・RNAの量を測る装置です。増幅の立ち上がりの早さから濃度を求めます。詳しく →/ddPCR反応液を無数の微小区画に分けて増幅し、陽性区画の数から核酸の量を絶対値で数える装置です。ごく微量の検出や定量に強みがあります。詳しく →・RT-qPCRで測定。酵素補充型なら酵素活性を機能マーカーに
    読み出し・指標transgene産物タンパク濃度、酵素活性等の機能指標、ベクターゲノム/mRNA発現量細胞が目的のタンパク質を作る量。低いと必要量の確保に手間がかかり、製造コストが上がる。と持続性
    留意点発現目的タンパク質をコードする遺伝子を宿主細胞内で転写・翻訳させ、機能的なタンパク質として産生させる工程。の持続性(数か月〜長期)が重要な読み出しで、PKの概念が曝露から発現持続に置き換わります。単回投与が基本で、既存の抗AAV遺伝子治療で遺伝子を運ぶウイルスベクター。血清型によって集まりやすい組織が異なる。中和抗体ウイルスベクターのカプシドなどに結合し、細胞に届く前に働きを失わせる抗体。再投与の壁になる。や投与後の免疫応答が発現・再投与可能性に影響します
    深掘りバイオマーカー・PD評価

送達・体内動態

体内でどこに・どれだけ・どのくらいの期間届くかを見ます。抗体のPKと、AAV遺伝子治療で遺伝子を運ぶウイルスベクター。血清型によって集まりやすい組織が異なる。細胞治療生きた細胞そのものを有効成分とする医薬。CAR-Tなどが代表。の「動態」は、そもそも測り方の枠組みが異なります。

  1. PK/PD・曝露評価

    血中濃度・半減期薬の血中濃度が半分に下がるまでの時間。抗体フラグメントでは短く、延長の工夫が要る。・作用持続を、モダリティ抗体・低分子・核酸・細胞治療など、医薬品の種類・創薬手法の区分。ごとにどの分析物・どの手法で見るか

    やること(手法・実験)従来の血中PKになじまないため、単回投与後にベクターゲノム(vg)組織中に存在するベクターの遺伝子の量。qPCR等でコピー数として定量し分布を評価する。バイオディストリビューション投与した薬が体内のどこにどれだけ届き、どれだけ留まるかを測る評価のこと。導入遺伝子ベクターで細胞に運んで働かせる目的の遺伝子。発現目的タンパク質をコードする遺伝子を宿主細胞内で転写・翻訳させ、機能的なタンパク質として産生させる工程。・排出(シェディング投与した遺伝子治療ベクターやウイルスが、尿・便・唾液などを通じて体外へ排出される現象。)をqPCR核酸を増幅しながら蛍光の増え方を追い、標的DNA・RNAの量を測る装置です。増幅の立ち上がりの早さから濃度を求めます。詳しく →ddPCR反応液を無数の微小区画に分けて増幅し、陽性区画の数から核酸の量を絶対値で数える装置です。ごく微量の検出や定量に強みがあります。詳しく →で追跡し、組織内vgコピー数を主指標とします
    読み出し・指標組織中ベクターゲノムコピー数(vg/µg DNA等)、導入遺伝子ベクターで細胞に運んで働かせる目的の遺伝子。産物の発現量細胞が目的のタンパク質を作る量。低いと必要量の確保に手間がかかり、製造コストが上がる。・持続、体液中シェディング投与した遺伝子治療ベクターやウイルスが、尿・便・唾液などを通じて体外へ排出される現象。
    留意点血中半減期薬の血中濃度が半分に下がるまでの時間。抗体フラグメントでは短く、延長の工夫が要る。という枠組みでは作用持続を説明できません。組織内での持続を主眼に、質量(mg)ではなくvgを基準とした投与量設計が中心になります。既存中和抗体ウイルスベクターのカプシドなどに結合し、細胞に届く前に働きを失わせる抗体。再投与の壁になる。や単回投与という制約も踏まえます。ICH S12遺伝子治療製品の非臨床の組織分布評価の考え方を示すICHガイドライン。では長期の生体内分布投与した薬が体内のどこにどれだけ届き、どれだけ留まるかを測る評価のこと。評価が求められます
    深掘りPK/PD(FcRn・TMDD)
  2. 組織分布・biodistribution

    目的の組織・細胞に届いているか、そして不要な臓器(特に肝・脾や生殖腺)へ過度に集まっていないかを、組織別にどう定量するか。

    やること(手法・実験)qPCR核酸を増幅しながら蛍光の増え方を追い、標的DNA・RNAの量を測る装置です。増幅の立ち上がりの早さから濃度を求めます。詳しく →/ddPCR反応液を無数の微小区画に分けて増幅し、陽性区画の数から核酸の量を絶対値で数える装置です。ごく微量の検出や定量に強みがあります。詳しく →でベクターゲノムコピー数を各臓器で定量する生体内分布投与した薬が体内のどこにどれだけ届き、どれだけ留まるかを測る評価のこと。biodistribution投与した薬・ベクター・細胞が体のどこに、どれだけ、いつまで留まるかを非臨床で測る評価。)試験。血液・肝・脾・生殖腺(性腺)を含む広範な組織を採取し、導入遺伝子ベクターで細胞に運んで働かせる目的の遺伝子。mRNA/タンパク発現目的タンパク質をコードする遺伝子を宿主細胞内で転写・翻訳させ、機能的なタンパク質として産生させる工程。も併せて評価します。生殖腺分布は生殖細胞系列変異が入る前のヒト抗体遺伝子の配列。ヒト化でCDRを受ける受け皿(アクセプター)として選ぶ。伝播リスクの観点で重視されます。
    読み出し・指標組織別ベクターゲノムコピー数(vg/µg DNA または vg/細胞)、導入遺伝子ベクターで細胞に運んで働かせる目的の遺伝子。発現目的タンパク質をコードする遺伝子を宿主細胞内で転写・翻訳させ、機能的なタンパク質として産生させる工程。、生殖腺分布
    留意点ICH S12遺伝子治療製品の非臨床の組織分布評価の考え方を示すICHガイドライン。の枠組みで、投与経路・血清型AAVのカプシドの種類による分類。組織指向性が異なり、狙う臓器や細胞に応じて選び分けられる。に応じた組織パネルと採取時点、生殖腺を含む評価が求められます。既存中和抗体ウイルスベクターのカプシドなどに結合し、細胞に届く前に働きを失わせる抗体。再投与の壁になる。や再投与の制約もAAV遺伝子治療で遺伝子を運ぶウイルスベクター。血清型によって集まりやすい組織が異なる。特有の論点です。
    深掘り組織分布評価
  3. 発現持続・用量反応

    投与した作用はどのくらい続くのか、そして用量を変えると反応はどう変わるのか

    やること(手法・実験)単回投与で導入遺伝子ベクターで細胞に運んで働かせる目的の遺伝子。発現目的タンパク質をコードする遺伝子を宿主細胞内で転写・翻訳させ、機能的なタンパク質として産生させる工程。を長期(月〜年)にわたり追跡し、用量はvg/kg(ベクターゲノム/kg)で規定して発現の立ち上がり・定常レベル・持続を評価します。
    読み出し・指標導入遺伝子ベクターで細胞に運んで働かせる目的の遺伝子。産物レベル/機能マーカーの経時推移、vg/kg用量-発現目的タンパク質をコードする遺伝子を宿主細胞内で転写・翻訳させ、機能的なタンパク質として産生させる工程。/効果関係、ベクターゲノムの組織内持続
    留意点発現目的タンパク質をコードする遺伝子を宿主細胞内で転写・翻訳させ、機能的なタンパク質として産生させる工程。の立ち上がりに数週間かかること、非分裂組織では長期持続する一方で分裂組織では希釈されうる点を考慮します。既存の抗AAV遺伝子治療で遺伝子を運ぶウイルスベクター。血清型によって集まりやすい組織が異なる。中和抗体ウイルスベクターのカプシドなどに結合し、細胞に届く前に働きを失わせる抗体。再投与の壁になる。は導入効率に影響し、投与後は抗ベクター免疫の獲得により事実上の再投与が難しくなるため、単回で必要な発現量細胞が目的のタンパク質を作る量。低いと必要量の確保に手間がかかり、製造コストが上がる。を得る用量設計が前提になります。高用量に伴う安全性懸念(肝毒性など)も用量設定の制約になります。
    深掘り発現持続・用量反応

安全性・非臨床

免疫原性薬そのものが患者の免疫応答を誘発しやすい性質。凝集体や不純物、投与経路、患者背景などが要因になる。・オフターゲット・毒性を評価し、ヒト初回用量を設計します。ICH医薬品規制の国際調和を目的として、日米欧の規制当局と製薬業界が参加する国際的なガイドライン策定機関。の枠組みは共通でも、着目する毒性と用量の考え方はモダリティ抗体・低分子・核酸・細胞治療など、医薬品の種類・創薬手法の区分。で分かれます。

  1. 免疫原性・ADA

    抗薬物抗体(ADA)投与した薬に対して患者の体内でできる抗体。効果や安全性に影響しうるため監視される。や免疫反応をどのモダリティ抗体・低分子・核酸・細胞治療など、医薬品の種類・創薬手法の区分。でどう捉えるか

    やること(手法・実験)投与前の既存抗カプシドウイルスの遺伝物質を包むタンパク質の殻。AAVでは直径数十ナノメートルの正二十面体の構造をとる。中和抗体ウイルスベクターのカプシドなどに結合し、細胞に届く前に働きを失わせる抗体。再投与の壁になる。(NAb)を細胞ベース中和アッセイ抗体がウイルスや毒素、サイトカインなど標的の働きをどれだけ抑えられるか見る試験。またはTI(トランスダクション阻害)アッセイで測定し、被験者の適格性・投与可否の判断に用います。投与後はカプシドおよび導入遺伝子ベクターで細胞に運んで働かせる目的の遺伝子。産物への液性・細胞性(ELISpot等)免疫を評価します
    読み出し・指標既存NAb力価(投与可否のカットオフ)、投与後のカプシドウイルスの遺伝物質を包むタンパク質の殻。AAVでは直径数十ナノメートルの正二十面体の構造をとる。導入遺伝子ベクターで細胞に運んで働かせる目的の遺伝子。への抗体・T細胞応答、導入遺伝子発現目的タンパク質をコードする遺伝子を宿主細胞内で転写・翻訳させ、機能的なタンパク質として産生させる工程。の持続性
    留意点既存免疫過去の感染や環境暴露によってあらかじめ体内に形成されている、特定の病原体や抗原に対する免疫応答のこと。が有効性・投与可否を左右する点が他モダリティ抗体・低分子・核酸・細胞治療など、医薬品の種類・創薬手法の区分。と大きく異なります。原則として単回投与で、再投与の可否にも直結します
    深掘り免疫原性・ADA
  2. オフターゲット・交差反応性

    意図しない標的・組織・配列への作用を、モダリティ抗体・低分子・核酸・細胞治療など、医薬品の種類・創薬手法の区分。ごとに適した方法で評価できているか

    やること(手法・実験)カプシドウイルスの遺伝物質を包むタンパク質の殻。AAVでは直径数十ナノメートルの正二十面体の構造をとる。指向性(トロピズムウイルスベクターが特定の組織・細胞に向かう指向性。AAVでは血清型ごとに異なる。)のずれによる異所性発現目的タンパク質をコードする遺伝子を宿主細胞内で転写・翻訳させ、機能的なタンパク質として産生させる工程。・分布を評価します。ベクターゲノム生体内分布投与した薬が体内のどこにどれだけ届き、どれだけ留まるかを測る評価のこと。qPCR核酸を増幅しながら蛍光の増え方を追い、標的DNA・RNAの量を測る装置です。増幅の立ち上がりの早さから濃度を求めます。詳しく →によるDNAコピー数)と、導入遺伝子ベクターで細胞に運んで働かせる目的の遺伝子。の組織別発現(RT-qPCR/タンパク)を測定し、生殖腺分布や意図しない組織での長期発現リスクも確認します。
    読み出し・指標組織別ベクターゲノムコピー数、導入遺伝子ベクターで細胞に運んで働かせる目的の遺伝子。発現目的タンパク質をコードする遺伝子を宿主細胞内で転写・翻訳させ、機能的なタンパク質として産生させる工程。分布、生殖腺への分布
    留意点血清型AAVのカプシドの種類による分類。組織指向性が異なり、狙う臓器や細胞に応じて選び分けられる。により指向性が異なります。プロモーターRNAポリメラーゼが結合して転写を開始するDNA上の特定の塩基配列領域。選択で発現目的タンパク質をコードする遺伝子を宿主細胞内で転写・翻訳させ、機能的なタンパク質として産生させる工程。の組織特異性分析法において、共存する不純物・分解物・添加剤などが存在しても目的成分だけを正確に測定できる能力。をある程度制御できます。
    深掘り組織交差反応性
  3. 毒性・安全性薬理

    反復投与毒性・臓器毒性・免疫毒性薬剤が意図せず免疫系の機能を抑制または過剰に活性化させる、臓器毒性とは区別される有害作用のこと。遺伝毒性化合物が遺伝子や染色体を傷つける性質。点突然変異や染色体損傷を含み、複数の試験で分担して調べる。を、モダリティ抗体・低分子・核酸・細胞治療など、医薬品の種類・創薬手法の区分。ごとにどう評価するか

    やること(手法・実験)臨床経路・ベクター・導入遺伝子ベクターで細胞に運んで働かせる目的の遺伝子。を反映した設計で、生体内分布投与した薬が体内のどこにどれだけ届き、どれだけ留まるかを測る評価のこと。と統合した長期観察を伴う毒性試験。肝毒性・背根神経節(DRG)病変・免疫応答(自然/獲得、補体)を重点評価。FDA/EMAの遺伝子治療ガイダンスに基づく。
    読み出し・指標逸脱承認された手順や規格から外れた事象。GMPでは発見したら記録し、製品品質への影響を評価してロットの可否を判断します。詳しく →酵素・肝組織、DRG/末梢神経病理、生体内分布投与した薬が体内のどこにどれだけ届き、どれだけ留まるかを測る評価のこと。導入遺伝子ベクターで細胞に運んで働かせる目的の遺伝子。発現目的タンパク質をコードする遺伝子を宿主細胞内で転写・翻訳させ、機能的なタンパク質として産生させる工程。、免疫応答、可逆性/持続性
    留意点通常は単回投与で、既存の抗AAV遺伝子治療で遺伝子を運ぶウイルスベクター。血清型によって集まりやすい組織が異なる。中和抗体ウイルスベクターのカプシドなどに結合し、細胞に届く前に働きを失わせる抗体。再投与の壁になる。があると効果・毒性評価に影響するため被験動物選定に留意。長期フォローアップ遺伝子治療後の有効性の持続と遅発性の安全性事象を把握するために行う長期間の経過観察。挿入変異ベクターがゲノムに組み込まれる際、近くの遺伝子の働きを乱し発がんなどを招くリスク。リスク(非組込み型AAVでは一般に低いが完全には否定できない)、導入遺伝子ベクターで細胞に運んで働かせる目的の遺伝子。の過剰発現目的タンパク質をコードする遺伝子を宿主細胞内で転写・翻訳させ、機能的なタンパク質として産生させる工程。毒性も考慮
    深掘り毒性・安全性薬理
  4. 初回投与量設計

    ヒト初回投与量臨床で最初にヒトへ投与する用量。非臨床データから安全な出発点として推定する。(FIH)をどの根拠から設計するか

    やること(手法・実験)用量はvg/kg(ベクターゲノム数)で規定し、非臨床の生体内分布投与した薬が体内のどこにどれだけ届き、どれだけ留まるかを測る評価のこと。・毒性から設定。免疫反応(自然免疫病原体を素早く感知して働く生体防御の仕組み。dsRNAをウイルスの痕跡とみなし炎症反応を起こします。・抗capsid)と肝毒性が用量制限になりやすく、これらのNOAEL無毒性量。毒性試験で有害な影響が認められなかった最大の用量。PDE算出の出発点になる。や観察所見が主根拠(FDA遺伝子治療ガイダンス、ICH S12遺伝子治療製品の非臨床の組織分布評価の考え方を示すICHガイドライン。:遺伝子治療の非臨床バイオディストリビューション投与した薬が体内のどこにどれだけ届き、どれだけ留まるかを測る評価のこと。)。
    読み出し・指標vg/kg、肝機能・免疫マーカー、生体内分布投与した薬が体内のどこにどれだけ届き、どれだけ留まるかを測る評価のこと。
    留意点単回・長期持続的な曝露で、通常の反復投与NOAEL無毒性量。毒性試験で有害な影響が認められなかった最大の用量。PDE算出の出発点になる。/安全係数動物からヒトへの当てはめに残る不確かさを見込んで初回量を下げる除数で、標準は10とされる。の考え方がそのままは使えない。既存の抗capsid中和抗体ウイルスベクターのカプシドなどに結合し、細胞に届く前に働きを失わせる抗体。再投与の壁になる。で被験者が除外され、投与後は中和低pH条件で溶出されたサンプルに緩衝液を加えてpHを中性付近に戻し、製品へのダメージを防ぐ操作。抗体誘導で再投与が難しいことも設計上の前提。
    深掘り初回投与量設計
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