無菌
2026.09.25•Vanrx Pharmasystems(Cytiva)•約6分

SA25(Vanrx Pharmasystems)――グローブを無くした無菌

Photo: TECNIC Bioprocess Solutions / Unsplash

SA25 Aseptic Filling Workcell は、Vanrx Pharmasystems(現在はCytivaの一員)が手がける無菌充填のアイソレータです。バイアル・シリンジ・カートリッジをネストに載せたまま、0.2 mLから50 mLまでの充填に対応します。フォーマットの切り替えにかかる時間は約45分です。

数字よりも先に押さえておきたいのは、この装置がグローブポートそのものを持たないという設計です。

グローブポートを無くすという設計

無菌充填のアイソレータは、Grade A(ISOクラス5)の清浄度を保ちながら、内部の作業をグローブポート越しに人の手で行うのが長年の標準でした。ただしグローブは破損すれば直接の汚染経路になり、手を動かすこと自体が内部の気流を乱す要因にもなります。

SA25は、充填・搬送・打栓までのすべての操作をロボットアームが行う設計にして、グローブポートを装置から無くしました。人の手がGrade Aの空間に入ることが構造上ないので、グローブの完全性という管理項目そのものが要らなくなります。⁠汚染源になり得る要素を手順で管理するのではなく、装置の構造から取り除いてしまう点が、従来型のグローブ付きアイソレータとの違いです。

同時に晒すのは1ネストだけ

SA25のもう一つの特徴は、ISO5環境に同時に晒す容器が1ネスト分に限られることです。バッチ全体のトレイを開けたまま作業するのではなく、容器のまとまりを1つずつ清浄区画に運び込んで充填し、また搬出します。

清浄区画に晒される容器の量と時間が減れば、環境モニタリングで拾うべき異常の母数も、培地充填(メディアフィル)で再現すべき条件も、それだけ絞り込みやすくなります。⁠バッチ単位ではなくネスト単位で清浄環境への露出を区切る設計は、汚染管理戦略を組み立てるときの単位そのものを変えます。

0.2〜50 mLをネストのまま、切替は約45分

充填量は0.2 mLから50 mLまでで、バイアル・シリンジ・カートリッジのいずれもネストに載せたまま扱えます。あるフォーマットから別のフォーマットへの切り替えは、約45分で終わるとされています。

多品種を少量ずつ扱う臨床用ロットや、個別化した医薬品の製造では、フォーマットの切り替えそのものが頻繁に発生します。従来型の充填ラインでは、切り替えのたびに分解洗浄(CIP/SIP)を含む長い停止時間がかかることが珍しくありません。⁠切り替えが45分で終わるなら、1バッチあたりのロットサイズが小さくても、装置を占有する時間の比率を抑えたまま採算を取りやすくなります。

導入で確認したいこと

※ 本ページは公開情報をもとにした紹介です。仕様の詳細は公式情報をご確認ください。

主要諸元

形式グローブレス・ロボットアイソレータ
環境Grade A/ISOクラス5(充填・搬送・打栓を通じて維持)
充填量0.2〜50 mL
対応フォーマットネスト式バイアル/シリンジ/カートリッジ
フォーマット切替時間約45分
露出範囲ISO5環境に同時に晒すのは1ネストのみ

いずれもメーカー公表値です。構成やキットにより異なるため、実際の条件はメーカーの製品ページでご確認ください。

メーカー公式
Cytiva
製品ページを見る ↗

本ページは各社の公開情報をもとに、Proglenth編集部が整理したものです。仕様・数値はメーカー公表値、発言は発表資料からの引用(英文は編集部訳)であり、本ページは販売・推奨を目的とするものではありません。導入の検討では必ず一次情報とメーカーへの確認を行ってください。編集の考え方は編集方針に記載しています。

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