分析・計測
2026.10.04•Nova Biomedical•約6分

BioProfile FLEX2(Nova)――1検体で16項目を測る

Photo: CDC / Unsplash

BioProfile FLEX2 は、Nova Biomedical が手がける細胞培養向けの総合分析計です。培地のグルコースや乳酸、pH、溶存ガス、電解質に加えて、浸透圧、さらに細胞数と生存率までを、1台で最大16項目まとめて測ります。フルメニューでも検体は275 µL、測定は約4.5分で終わります。

この装置の勘所は、1項目ごとの測定精度ではなく、⁠1回の採取で培養の状態をほぼ丸ごと把握できるという設計の側にあります。

「1検体で16項目」という設計

FLEX2が1回で返す16項目は、性質の違う4つのまとまりから成り立っています。

グルコース・乳酸・グルタミンなどの代謝物と電解質で8項目、pHと溶存二酸化炭素(PCO2)・溶存酸素(PO2)のガスで3項目、総細胞密度・生細胞密度・生存率・細胞径の細胞計測で4項目、それに浸透圧を足して16項目です。従来はこの内訳を、血液ガス分析計・生化学分析計・浸透圧計・セルカウンターという別々の装置で測ってきました。装置ごとに検体を取り分けるので、採取の操作もその回数だけ増えます。

ここに、買うかどうかを左右する数字があります。生存率の測定に特化したBeckman Coulterの Vi-CELL BLU は、生存率を1つ測るだけで170〜200 µL の検体を使います。FLEX2は、その生存率を含む16項目を275 µL でまかないます。灌流培養やambr級の小スケールのように、採取量がそのまま培養を削ってしまう工程では、この差が監視できる頻度を決めてしまいます。⁠価値は個々の測定の目新しさではなく、少ない1検体で培養の全体像を一度に取れることのほうにあります。

メンテナンスフリーのMicroSensorカード

化学とガスの測定には、MicroSensorカードと呼ぶ使い捨てのセンサーカードを使います。

従来の電極式センサーは、校正や膜交換といった日々の保守が欠かせず、担い手の熟練にも結果が左右されました。FLEX2は化学・ガスの11センサーをこのカードに載せ、Novaは保守を不要にしたと説明しています。前世代の BioProfile FLEX と比べると、フルメニューの検体量が275 µL まで約75%下がり、測定時間も約4.5分へ縮みました。どの分析計で培地の代謝物を測るかを選ぶとき、保守費が消耗品の形であらかじめ読める点は、電極式との比較で効いてきます。⁠センサーをカードに移したことは、精度の話というより、止めずに回し続けられるかという稼働の話として効きます。

臨床由来の装置を培養で使うときの確認点

Nova Biomedical は、もともと臨床検査向けの血液ガス分析計を手がけてきた会社です。

血液と培地のように組成の違う検体で同じ測定原理を使うときは、培養液での用途適合性を自分の手で確かめる必要があります。細胞計測はトリパンブルー色素排除法を自動化したもので、ここは自動セルカウントと生存率測定の標準法と原理は変わりません。別の方法で数えているのではなく、専用機の手間と検体を1台に畳んでいると見るほうが実像に近いです。CHO培養の乳酸代謝シフトのように、代謝物の動きから培養の転換点を読む使い方では、オフラインのFLEX2をインラインのPAT監視とどう分担させるかも論点です。⁠1台にまとめられることと、その1台にすべてを委ねてよいことは別で、何を畳み何を残すかを先に決めておく必要があります。

導入で確認したいこと

※ 本ページは公開情報をもとにした紹介です。仕様・数値の詳細は公式情報をご確認ください。

主要諸元

測定原理MicroSensorカード(電気化学)+光学式細胞計測(トリパンブルー色素排除法)+氷点降下式浸透圧測定
測定項目最大16項目(グルコース/乳酸/グルタミン/グルタミン酸/NH4+/Na+/K+/Ca++/pH/PCO2/PO2/総細胞密度/生細胞密度/生存率/細胞径/浸透圧)
フルメニューの検体量275 µL(前世代BioProfile FLEX比で約75%削減)
フルメニューの所要時間約4.5分(270秒)
保守化学・ガスの11センサーがメンテナンスフリー(MicroSensorカード)
自動サンプリング96ウェルプレート/シリンジ/24ポジション外部トレイ(load-and-go)

いずれもメーカー公表値です。構成やキットにより異なるため、実際の条件はメーカーの製品ページでご確認ください。

メーカー公式
Nova Biomedical
製品ページを見る ↗

本ページは各社の公開情報をもとに、Proglenth編集部が整理したものです。仕様・数値はメーカー公表値、発言は発表資料からの引用(英文は編集部訳)であり、本ページは販売・推奨を目的とするものではありません。導入の検討では必ず一次情報とメーカーへの確認を行ってください。編集の考え方は編集方針に記載しています。

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