培養
2026.09.22Thermo Fisher Scientific約7分

DynaDrive(Thermo Fisher)――20対1で仕込める

Photo: CDC / Unsplash

HyPerforma DynaDrive は、Thermo Fisher の単回使用バイオリアクター S.U.B. の上を伸ばした系列です。作動容量は 50 L から 5,000 L まで。3,000 L と 5,000 L は円筒ではなく角形の容器になります。

いちばんの違いは容量の上限ではなく、⁠どこまで少なく仕込めるかのほうにあります。

ターンダウン比という言い方

ターンダウン比は、その槽で回せる最大容量と最小容量の比です。500 L 機なら 20 対 1、50 L 機なら 10 対 1 と公表されています。

500 L の槽に 25 L だけ入れて培養を始め、そのまま足していける、という意味です。50 L 機なら 5 L から始められます。従来の S.U.B. は 5 対 1 だったので、下限が大きく下がりました。

なぜこれが効くのか。シードトレインは、フラスコから小さい槽へ、小さい槽から大きい槽へと段を踏んで細胞を増やしていく工程です。段が1つ増えるたびに、移す作業と、そのための接続と、汚染の機会が増えます。⁠下限が下がると、その段を1つ飛ばせる場合があります。

底部マウントという選択

撹拌の駆動は槽の底に付きます。上からモーターを差し込む構成と比べると、軸のシールが液面より下に来ないので、上部の空間を給気や配管に使えます。羽根はピッチドブレードで、軸方向に流れを作る形です。

ただし駆動方式が違えば、スケールアップのときに揃える条件も変わります。単位体積あたりの撹拌動力(P/V)や翼端速度を同じにしても、流れの形が違えば剪断の当たり方は変わります。別のメーカーの槽から移すときは、ここを実測で確かめる場面になります。

フィルムを1本化していること

フィルムは Aegis で統一されています。容量が変わっても材質が変わらないので、抽出物・浸出物の評価を1本にまとめられます。

単回使用の設備では、バリデーションの手間の多くがフィルムに紐付きます。槽の大きさごとに別のフィルムを使う構成だと、そのたびに資料を作り直すことになります。⁠同じフィルムで 50 L から 5,000 L までを通せることは、性能の話ではなく書類の話として効いてきます。

導入で確認したいこと

※ 本ページは公開情報をもとにした紹介です。仕様・ターンダウン比の詳細は公式情報をご確認ください。

主要諸元

作動容量50 〜 5,000 L
駆動底部マウント
羽根ピッチドブレード
ターンダウン比20 : 1(500 L 機)/10 : 1(50 L 機)
フィルムポリエチレン+EVOH(Aegis)
用途細胞培養
使用回数シングルユース

いずれもメーカー公表値です。構成やキットにより異なるため、実際の条件はメーカーの製品ページでご確認ください。

メーカー公式
Thermo Fisher Scientific
製品ページを見る ↗

本ページは各社の公開情報をもとに、Proglenth編集部が整理したものです。仕様・数値はメーカー公表値、発言は発表資料からの引用(英文は編集部訳)であり、本ページは販売・推奨を目的とするものではありません。導入の検討では必ず一次情報とメーカーへの確認を行ってください。編集の考え方は編集方針に記載しています。

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