製品・資材を変更したい6項目のうち4番目

変更後の安定性を取り直す

容器・処方・製法を変えたら、有効期間の根拠を確かめ直す

いつまでに
変更を決めた時点で試験を始める(長期のデータは時間がかかるため、手続きの資料をそろえる時期から逆算する)
関わる人
分析、CMC(製剤)、品質保証、薬事

この項目で確かめること6項目

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終えたときに手元にあるもの変更後のロットの安定性の計画書と途中までのデータ、変更前後の分解のしかたを比べた結果、有効期間の扱いの結論

なぜ必要か

有効期間の根拠は、その製品を市販する容器に入れ、自社の分析法で測った長期のデータだからです。容器や処方や製法を変えると凝集や粒子の出方が変わることがあり、変更前のデータだけでは、変更後の製品の有効期間を説明できません。

見落としやすいこと

  • 容器・栓・シリンジのメーカーや塗布方式を変えただけで、中身が同じでも、安定性を取り直す必要が出ます。
  • 別の製品の安定性データを借りて、有効期間の根拠の中心にはできません。米国の21 CFR 211.166は、製品ごとに十分な数のロットを試験して有効期間を決めると定めています。
  • ラベルの有効期間が支えるのは、未開封で、決められた条件で保管した製品だけです。開封後や希釈後の使用時の安定性は、別の試験で確かめます。
  • 冷蔵品の温度の記録を上限だけで見ると、凍る温度にさらされたことに気づけません。ワクチンの冷蔵流通の総説では、積み荷の14〜35%が凍る温度にさらされていました。

進め方

  1. 変更で動きうる劣化の経路と、測る項目を決めます。

  2. 変更後のロットを長期と加速の条件に置き、時点を決めます。

  3. 変更前のロットと同じ条件で加速・苛酷の比較を行い、分解のしかたを並べます。

  4. 途中までのデータで、有効期間を今のまま保てるかを判断します。

  5. 承認後も長期試験を続け、根拠のデータを積み増します。

判断の分かれ目

こういうときこうする

こういうとき加速・苛酷の比較で、変更後の分解が速いか、新しい分解物が出たとき

こうする変更前の長期データに頼らず、変更後のロットの長期データで有効期間を決め直します。

こういうとき容器・栓・シリンジを変えたとき

こうする中身が同じでも、市販する容器で安定性、凝集、粒子を測り直します。

こういうとき試験の数を減らす設計(ブラケッティング・マトリキシング)を使いたいとき

こうする減らした条件が全体を代表すると、劣化の経路から説明できる場合に限って使います(ICH Q1D)。

自社でできるか、外に出すか

外に出すとき、先に相手に確かめること

  1. 市販する容器のまま、長期・加速・苛酷の条件に置けるか(チャンバーの条件と温度の記録)
  2. 時点ごとの分析を、どの分析法で、どの試験室で行うか
  3. 保管中に温度の逸脱が起きたとき、いつ、どう知らせるか
  4. 生データと監査証跡を、どの形で受け取れるか

読んで確かめる3本

まずこれ約6分

安定性試験(ICH Q1)とは?有効期間の決まり方と統合改訂の動き

有効期間24か月は、24か月待ってから決めるとは限りません。ICH Q1の長期・加速・苛酷の役割、抗体でQ5Cが上乗せされる理由、試験が通っても現場で困る失敗、Q1が1本に統合される改訂の現状と、明日から確かめることを解説します。

詳しく分かる項目:長期の条件・加速と苛酷

約7分

強制分解(苛酷)試験とは?なぜ薬をわざと壊し、どこまで壊せばよいのか

強制分解(苛酷)試験とは、原薬や製剤に加速試験より厳しいストレスをかけてわざと壊し、分子の壊れ方と、分析法が壊れた分を見つけられるかを確かめる試験です。有効期間を決める試験との違い、わざと壊す理由、かけるストレスと抗体の壊れ方、壊す強さの決め方、結果の読み方、報告書で確かめる順番を解説します。

詳しく分かる項目:分析法の見分ける力

このテーマを順に学ぶ

安定性と有効期間全9回・約56分

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この項目の記事は第1回「安定性試験(ICH Q1)とは?有効期間の決まり方と統合改訂の動き」です。

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