創薬候補を選んでいる10項目のうち5番目

細胞での働きを評価する

結合したあとに細胞で何が起きるかを、作用の仕方に合わせて測る

いつまでに
候補を数本に絞る前(動物での薬効試験に進む前)
関わる人
研究(薬理・細胞生物)

この項目で確かめること6項目

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終えたときに手元にあるもの作用の仕方を1文で書いた説明と、それに合う細胞試験の用量反応(EC50 または IC50 と最大反応)を候補ごとに並べた表

なぜ必要か

精製した標的への結合を測る試験には、細胞の表面での標的の置かれ方と、結合したあとの働きが現れないからです。作用の仕方に合った細胞の試験がないと、効く候補と結合するだけの候補を見分けられず、のちの力価試験も組めません。

見落としやすいこと

  • 同じアミノ酸配列の抗体でも、作る細胞が違うだけで ADCC が50倍以上違った例があり、この差は結合の値には現れません。
  • ADCC も CDC も、抗原の密度が低い細胞では立ち上がりにくく、CDC はとくに密度に左右されます。
  • 2006年の TGN1412 では、抗体を培養液に溶かして免疫細胞に加える方法では、人で起きた全身の炎症反応が見えていませんでした。
  • 継代を重ねた細胞では、応答性や抗原の発現が変わることがあります。

進め方

  1. 作用の仕方を1文で書き、主にする試験と従にする試験を決めます。

  2. 標的を出す細胞と出さない細胞を用意し、抗原の数を実測して記録します。

  3. 細胞の上での結合と、殺す・止める・出させるの試験を、用量を変えて測ります。

  4. 標準品を同じプレートに置き、日を変えて繰り返し、候補の順位が保たれるかを見ます。

  5. 細胞で効いた候補を、動物での薬効と、選択性・動物種の確認に回します。

判断の分かれ目

こういうときこうする

こういうとき結合は強いのに細胞で効かないとき

こうする細胞の上での結合、抗原の密度、作用に要る Fc の働きの順に原因を確かめます。

こういうとき免疫を活性化する抗体のとき

こうする人の血液や免疫細胞でのサイトカイン放出試験を、方式の違いを踏まえて早めに計画します。

こういうときADCC の値がドナーで大きく揺れるとき

こうする特性解析には血液由来の免疫細胞の系、候補の比較と将来の規格にはレポーター細胞の系と、役割を分けます。

自社でできるか、外に出すか

細胞の試験は自社でも組めます。免疫細胞を使う試験やサイトカイン放出試験は、ドナーの細胞を扱える受託企業に出すことが多くあります。

外に出すとき、先に相手に確かめること

  1. 作用の仕方に合う試験(殺す・止める・出させる)を組めるか
  2. 使う細胞の抗原の数と継代数を記録して渡せるか
  3. 標準品を同じプレートに置き、相対値で出せるか
  4. 免疫細胞のドナー数と、ドナーによるばらつきの扱い

読んで確かめる5本

まずこれ約5分

抗体の機能的キャラクタリゼーションとは?結合だけでは足りない理由

抗体の機能的キャラクタリゼーションとは、抗体が細胞の上で結合したあとに何が起きるかを細胞を使う試験で確かめることです。結合の試験との違い、細胞で何を測るのか、値が揺れたときにどこを見るのか、報告書で確かめる順番を説明します。

約5分

用量反応曲線とは?濃度を変えると、効き目がS字に変わるのはなぜか

用量反応曲線は、薬の濃度を段階的に変えて測った応答を、濃度の対数に対して描いた曲線で、化合物の強さの比較、力価試験、hERGなどの安全性の判断に使います。S字になる理由、平坦部・中点・傾きの読み方、強さと最大の効き目の違い、値を読む前提を解説します。

約5分

ADCC・CDCとは?抗体のFcが呼ぶ2つの働きは、同じ条件で強まるのか

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詳しく分かる項目:殺す・止める・出させる(抗体)

このテーマを順に学ぶ

抗体を見つけて選ぶ全11回・約63分

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この項目の記事は第7回「抗体の機能的キャラクタリゼーションとは?結合だけでは足りない理由」です。

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