Standard Process Map核酸医薬

siRNA製造 基準工程マップ

この基準工程マップは、siRNAの製造と分析を固相合成→脱保護→精製→アニーリング→品質特性解析の順に整理しています。最適な手法は化学修飾・送達方式(コンジュゲートかLNPか)・製造スケールで変わるため、各工程に代替・補完法も併記しています。

17工程4フェーズ

製法の条件で切り替える

◇の付いた7工程は、この条件で基準法が変わります。

全体像

工程名を押すと、その工程の説明へ移ります。工程を押すと、その場で詳しい説明が開きます。◇は条件で基準法が変わる工程です。

  1. 合成・反応3工程
    1. 01固相合成・チェーンアセンブリ
    2. 02開裂・脱保護
    3. 03脱シリル化/2'脱保護
  2. 精製4工程
    1. 04分取精製・キャプチャー〜ポリッシング
    2. 05脱トリチル・DMT除去
    3. 06脱塩・緩衝液交換(UF/DF)(条件で分岐)
    4. 07バイオバーデン低減ろ過・最終ろ過(条件で分岐)
  3. 製剤・充填3工程
    1. 08アニーリング・二本鎖形成
    2. 09コンジュゲーション・GalNAc結合体化(条件で分岐)
    3. 10凍結乾燥・原薬単離(条件で分岐)
  4. 品質特性・分析7工程
    1. 11同定・質量確認(LC-MS)
    2. 12純度試験・不純物プロファイル
    3. 13二本鎖含量・アニーリング確認(条件で分岐)
    4. 14含量・力価(UV定量)(条件で分岐)
    5. 15元素不純物・残留溶媒・対イオン試験
    6. 16無菌・エンドトキシン試験
    7. 17原薬安定性・分解物管理(条件で分岐)

製法の条件で切り替える

◇の付いた7工程は、この条件で基準法が変わります。

合成・反応(3工程)

工程2:開裂・脱保護

担体から鎖を切り出し保護基を外すが、条件が強すぎるとRNAが分解する工程。

基準法アンモニア水またはアンモニア/メチルアミン(AMA)による開裂・塩基脱保護

精製(4工程)

工程6:脱塩・緩衝液交換(UF/DF)

◇ 分岐

イオンペア試薬や塩を除きNa塩・適濃度に整え、下流の凍乾・試験を正確化する工程。

基準法限外ろ過/ダイアフィルトレーション(UF/DF)、またはサイズ排除/逆相による脱塩とナトリウム塩への対イオン交換

脂質ナノ粒子(LNP/静注)では

中空糸/カセット式タンジェンシャルフローろ過(TFF)によるエタノール除去・処方緩衝液(クエン酸/PBS系)への交換および濃縮

工程7:バイオバーデン低減ろ過・最終ろ過

◇ 分岐

オリゴ原薬は無菌製剤の原料となるため水溶液工程でバイオバーデン低減ろ過による低バイオバーデン化が必須

基準法UF/DF後の原薬溶液を0.22µm滅菌グレードPVDF/PESメンブレンでろ過し、凍結乾燥/単離前のバイオバーデンを低減(バイオバーデン低減ろ過)

脂質ナノ粒子(LNP/静注)では

0.22µm滅菌グレード膜による除菌ろ過(LNP分散液)

製剤・充填(3工程)

工程9:コンジュゲーション・GalNAc結合体化

◇ 分岐

肝細胞のASGPRに結びつくGalNAc糖鎖を導入し取り込みを高める工程。

基準法固相合成中にGalNAcリガンドを一体合成(プレコンジュゲート担体/GalNAcアミダイト)、またはアミン等を導入した一本鎖に、活性エステル(NHS)化GalNAcクラスターを溶液中で後結合(post-synthetic conjugation)

脂質ナノ粒子(LNP/静注)では

酸性条件(クエン酸緩衝液 pH≈4)の水相siRNAとエタノール溶解脂質をT字/マイクロ流体ミキサーで急速混合し封入(エタノール注入法)

工程10:凍結乾燥・原薬単離

◇ 分岐

水中で分解しやすいRNAを粉末化し、保存・出荷できる安定な原薬形にする工程。

基準法凍結乾燥(凍結→一次乾燥→二次乾燥)による原薬単離

脂質ナノ粒子(LNP/静注)では

凍結乾燥は行わず、無菌ろ過後に液体バルクとして調製し冷蔵(2-8℃)液体製剤化(用時希釈)

品質特性・分析(7工程)

工程11:同定・質量確認(LC-MS)

分子量から1塩基差や修飾の有無まで確認し、目的siRNAであることを保証する工程。

基準法LC-ESI-MS(高分解能)によるインタクト質量確認+デコンボリューション、必要に応じMS/MS配列確認

工程13:二本鎖含量・アニーリング確認

◇ 分岐

二本鎖が正しく組成したか、余剰一本鎖の割合を測り効力低下を見る工程。

基準法非変性IP-RP/SEC-HPLCによる二本鎖含量定量+UV-Vis吸光度/Tm(融解温度)解析

脂質ナノ粒子(LNP/静注)では

封入率はQuant-iT RiboGreen蛍光アッセイ(Triton X-100破壊前後の蛍光比)で測定し、別途UV/HPLCで総siRNA含量を定量

工程14:含量・力価(UV定量)

◇ 分岐

目的物の正味量を定量し、投与量設計と出荷判定の核となる値を出す工程。

基準法紫外吸光度(260 nm)によるオリゴ含量定量(消光係数換算)

脂質ナノ粒子(LNP/静注)では

siRNA含量はLNP破壊後のUV(260nm)/HPLCで定量し、加えて各脂質をHPLC-CAD/ELSDで定量(脂質/核酸比の管理)

工程15:元素不純物・残留溶媒・対イオン試験

対イオン量と残留金属・溶媒を測り、安全性と正味含量の正確さを担保する工程。

基準法対イオン・元素不純物はICP-MS/ICP-OES、残留溶媒はヘッドスペースGC

工程17:原薬安定性・分解物管理

◇ 分岐

経時的な分解・脱修飾を追い、有効期間と保存条件を決める根拠を得る工程。

基準法ICH Q1A準拠の長期・加速安定性試験(純度・含量・分解物を経時測定)

脂質ナノ粒子(LNP/静注)では

ICH Q1A準拠の安定性に加え、粒子径/PDI(動的光散乱)・ゼータ電位・封入率・イオン化/PEG脂質の加水分解物を経時測定

公開情報にもとづく一般的な整理です。実際の構成は条件により異なります。

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