非臨床・臨床へ進めたい10項目のうち2番目

薬物動態を見積もる

動物の血中濃度から、人での曝露と投与の間隔を見通す

いつまでに
初回投与の前(予測した人の曝露を、初回投与量と増量の計画に使うまで)
関わる人
DMPK・臨床薬理、バイオアナリシス

この項目で確かめること6項目

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終えたときに手元にあるもの動物種ごとの PK パラメータ、人のクリアランスと半減期の予測幅、毒性試験の曝露との倍率、検証した測定法の報告書

なぜ必要か

初回投与量の安全域、用量の上げ方、投与の間隔は、動物の血中濃度から予測した人の曝露で決まるからです。ICH M3(R2) は、動物と人の in vitro の代謝と血漿タンパク結合、毒性試験の動物種での曝露のデータを、一般に臨床試験の前に評価するよう求めています(3項)。

見落としやすいこと

  • 抗体は少ない量で打つほど速く消えることがあり(標的介在性薬物動態)、標的に結合しない動物ではこの消え方が現れません。
  • 飲んだときに得た見かけのクリアランス(CL/F)と、静脈内投与の値が混ざった予測は、人の値を読み違えます。
  • リガンド結合法では、薬が濃すぎると捕捉と検出の抗体が別々の分子とくっついて低く出るため(フック効果)、希釈直線性とあわせて確かめます。
  • ADA の測定とバイオマーカーの測定は ICH M10 の対象外で、「M10 に沿って検証済み」がどの測定のことかを確かめます。

進め方

  1. 測定法を検証し、動物の PK を静脈内と予定の経路で、抗体は複数の用量で測ります。

  2. 低分子は動物と人の代謝とタンパク結合を比べ、人で多い代謝物の見込みを立てます。

  3. アロメトリー・IVIVE・PBPK で、人の曝露を幅で予測します。

  4. 毒性試験の TK と並べて曝露の倍率を出し、初回投与量と増量の上限に使います。

  5. 臨床で測る時点と測定法(ADA を含む)を、第1相の計画に入れます。

判断の分かれ目

こういうときこうする

こういうときアロメトリーと IVIVE の予測が大きくずれたとき

こうするどちらかを捨てる前に、動物と人で消え方の仕組みが違わないか(酵素の種差など)を調べます。

こういうとき低い用量で抗体の消失が速いとき

こうする標的介在性薬物動態とみなし、人の標的の量を考えた予測で初回量と増量の刻みを決めます。

こういうとき半減期が短く予測されたとき

こうする投与間隔、製剤、化合物の見直しを、臨床計画を固める前に議題にします。

自社でできるか、外に出すか

動物の PK と血中濃度の測定は、DMPK とバイオアナリシスの受託企業に出すことが多くあります。人の予測は自社の臨床薬理が受託の結果を使って行います。

外に出すとき、先に相手に確かめること

  1. ICH M10 に沿った検証の範囲と、実試料の再分析(ISR)の扱い
  2. 抗体では、遊離型を測るか総量を測るか、捕捉抗体に何を使うか
  3. 重要試薬(捕捉抗体・検出抗体)の在庫と、ロットを切り替えるときの比べ方
  4. PK と ADA を同じ試料・同じ施設で測れるか
  5. 記録とデータを管理する仕組みを説明できるか

読んで確かめる6本

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このテーマを順に学ぶ

DMPKの基本全16回・約88分

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この項目の記事は第1回「DMPKとは?薬の吸収・分布・代謝・排泄(ADME)を、創薬のどこで調べるのか」です。

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