製法の条件で切り替える
◇の付いた3工程は、この条件で基準法が変わります。
01細胞株・シードCell line(1工程)
01
工程1:宿主細胞株の構築とセルバンク
製品の品質と生産量を最初に規定し、ロット間ばらつきを抑える土台となる細胞株を固定する工程。
基準法CHO細胞での組換え発現+単一クローン選抜、2段階セルバンク(MCB/WCB)構築
02培養・産生Upstream(3工程)
02
工程2:本培養
◇ 分岐抗体を細胞に作らせる中心工程。栄養補給と環境制御で力価と品質を両立させる。
基準法撹拌槽バイオリアクターでのフェドバッチ培養(pH・DO・温度・撹拌のPID制御)
◇ 灌流/プロセス強化(連続生産)では
ATF(交互接線流)またはTFF中空糸フィルターによる細胞保持を組み込んだ灌流培養
03
工程3:生細胞密度・生存率のモニタリング
生細胞数と生存率を日々追い、フィード量や回収タイミングの判断材料とする基本測定。
基準法トリパンブルー色素排除法による自動生細胞密度・生存率測定
04
工程4:産生抗体力価(タイター)の測定
抗体生成量を定量し、培養の進み具合の評価と回収判断を左右する標準力価測定。
基準法プロテインAアフィニティHPLCによる力価定量
03回収・清澄化Harvest(1工程)
05
工程5:清澄化(細胞・デブリの除去)
◇ 分岐細胞・破片を除き精製にかけられる清澄液を作る。詰まりを防ぎ精製歩留まりを守る。
基準法連続遠心分離+デプスフィルター濾過による清澄化
◇ 灌流/プロセス強化(連続生産)では
灌流パーミエートを連続的にデプス/除粒子フィルター(場合により0.2µm)で清澄化
04精製Purification(8工程)
06
工程6:キャプチャー
◇ 分岐Fcだけを掴むプロテインAで一度に純度を大きく上げる、抗体精製の心臓部となる捕捉工程。
基準法プロテインAアフィニティクロマトグラフィー(bind-elute)
◇ 灌流/プロセス強化(連続生産)では
連続多カラム向流クロマト(PCC:周期的向流クロマトグラフィー/マルチカラム)でプロテインAを連続運転し、樹脂利用率と生産性を向上
07
工程7:低pHウイルス不活化
酸性のプロテインA溶出液を活かしエンベロープウイルスを失活させる別の原理での安全工程。
基準法低pH保持によるウイルス不活化(pH3.5前後、30–60分以上)
08
工程8:中和・デプスろ過
低pH不活化プールは強酸性のままでは次工程に使えず、中和で生じる沈殿の除去が欠かせません。
基準法塩基(Tris/水酸化ナトリウム)添加によるpH5〜7への中和後、デプスフィルター濾過で沈殿・濁りを除去
09
工程9:ポリッシング
残存HCP・DNA・凝集体・電荷バリアントを削り最終純度を決める仕上げ工程。
基準法陰イオン交換
10
工程10:第2ポリッシング
単一研磨では凝集体・電荷バリアント・残存HCPを規格まで落とせず、第2研磨が標準です。
基準法陽イオン交換クロマトグラフィー(bind-elute)による凝集体・電荷バリアント・残存HCP除去
11
工程11:ナノろ過による物理的除去
サイズ排除で小型非エンベロープウイルスを物理除去し、低pH不活化と別の原理の安全工程。
基準法20nm級ウイルス除去フィルターによるナノ濾過
12
工程12:UF/DF・原薬化
目的濃度まで濃縮し処方バッファーへ置換する原薬化工程。高濃度皮下注を可能にする。
基準法タンジェンシャルフロー濾過(TFF)によるUF/DF
13
工程13:原薬の最終ろ過と凍結バッグへの充填・保存
原薬を凍結保存する前に0.2µmで最終ろ過し、生菌数を落として凍結バッグへ充填する工程。
基準法0.2µm除菌グレードフィルターによる最終ろ過(バイオバーデン低減)→ シングルユース凍結バッグへ充填し凍結保存
05製剤・充填Formulation(2工程)
14
工程14:最終製剤化(賦形剤配合)
UF/DF後の原薬は賦形剤が未配合で、安定性を確保するには製剤化配合が欠かせません。
基準法賦形剤ストック溶液の配合により最終濃度・組成へ調整(ポリソルベート、糖/アミノ酸安定化剤、緩衝剤)
15
工程15:除菌ろ過と無菌充填(最終ろ過)
0.2µm除菌濾過と無菌充填で患者投与の最終形態を作る、汚染が許されない工程。
基準法0.2µm除菌濾過+無菌充填(バイアル/プレフィルドシリンジ)
06品質特性・分析QC / Release(8工程)
16
工程16:凝集体・断片の定量
免疫原性リスクとなる凝集体や断片の割合を測り厳しく管理する重要なCQA定量。
基準法サイズ排除クロマトグラフィー(SEC-HPLC/UHPLC)
17
工程17:CE-SDSによる純度
重鎖・軽鎖の組立や断片化をサイズで切り分け純度を評価する工程。
基準法キャピラリー電気泳動SDS(CE-SDS、還元/非還元)
18
工程18:電荷バリアントの評価
脱アミドやC末端リジン等の電荷バリアントを分け、一貫性と安定性を管理するCQA評価。
基準法イメージドキャピラリー等電点電気泳動(icIEF)
19
工程19:N型糖鎖プロファイリング
エフェクター活性とPKを左右するFc糖鎖の種類・比率を測り糖形を管理する工程。
基準法PNGase F遊離→蛍光標識→HILIC-UPLC-FLR(必要に応じMS連結)
20
工程20:ペプチドマッピングとインタクト質量
配列が設計通りか、修飾箇所まで精密に確認する同一性試験の中核となる構造確認工程。
基準法トリプシン消化ペプチドマッピング(LC-MS/MS)+インタクト/サブユニット質量解析
21
工程21:宿主細胞由来タンパク質の定量
免疫原性に関わるCHO残存タンパク質を定量し、原薬で100ppm未満かを確認する工程。
基準法サンドイッチELISA(抗CHO-HCPポリクローナル)
22
工程22:エンドトキシン試験
注射用バイオ医薬品は内毒素規格への適合が必須で、放出試験として広く使われています。
基準法動態比色/比濁LAL(リムルスアメーバ様細胞ライセート)法による細菌内毒素定量
23
工程23:結合活性・力価の評価
標的への結合と機能発揮を確かめる工程。結合速度論と生物活性で力価を確認する。
基準法SPR/BLIによる結合速度論解析+細胞ベース・レポーター遺伝子アッセイによる生物活性測定
公開情報にもとづく一般的な整理です。実際の構成は条件により異なります。