Standard Process Map抗体医薬

モノクローナル抗体製造 基準工程マップ

この基準工程マップは、モノクローナル抗体の製造と分析を細胞株づくりから品質特性解析まで工程順に整理しています。CHO細胞での生産とプロテインAでの捕捉が代表ですが、最適な手法は条件で変わるため、各工程に代替・補完法も併記しています。

23工程6フェーズ

製法の条件で切り替える

◇の付いた3工程は、この条件で基準法が変わります。

全体像

工程名を押すと、その工程の説明へ移ります。工程を押すと、その場で詳しい説明が開きます。◇は条件で基準法が変わる工程です。

  1. 細胞株・シード1工程
    1. 01宿主細胞株の構築とセルバンク
  2. 培養・産生3工程
    1. 02本培養(条件で分岐)
    2. 03生細胞密度・生存率のモニタリング
    3. 04産生抗体力価(タイター)の測定
  3. 回収・清澄化1工程
    1. 05清澄化(細胞・デブリの除去)(条件で分岐)
  4. 精製8工程
    1. 06キャプチャー(条件で分岐)
    2. 07低pHウイルス不活化
    3. 08中和・デプスろ過
    4. 09ポリッシング
    5. 10第2ポリッシング
    6. 11ナノろ過による物理的除去
    7. 12UF/DF・原薬化
    8. 13原薬の最終ろ過と凍結バッグへの充填・保存
  5. 製剤・充填2工程
    1. 14最終製剤化(賦形剤配合)
    2. 15除菌ろ過と無菌充填(最終ろ過)
  6. 品質特性・分析8工程
    1. 16凝集体・断片の定量
    2. 17CE-SDSによる純度
    3. 18電荷バリアントの評価
    4. 19N型糖鎖プロファイリング
    5. 20ペプチドマッピングとインタクト質量
    6. 21宿主細胞由来タンパク質の定量
    7. 22エンドトキシン試験
    8. 23結合活性・力価の評価

製法の条件で切り替える

◇の付いた3工程は、この条件で基準法が変わります。

細胞株・シード(1工程)

工程1:宿主細胞株の構築とセルバンク

製品の品質と生産量を最初に規定し、ロット間ばらつきを抑える土台となる細胞株を固定する工程。

基準法CHO細胞での組換え発現+単一クローン選抜、2段階セルバンク(MCB/WCB)構築

培養・産生(3工程)

工程2:本培養

◇ 分岐

抗体を細胞に作らせる中心工程。栄養補給と環境制御で力価と品質を両立させる。

基準法撹拌槽バイオリアクターでのフェドバッチ培養(pH・DO・温度・撹拌のPID制御)

灌流/プロセス強化(連続生産)では

ATF(交互接線流)またはTFF中空糸フィルターによる細胞保持を組み込んだ灌流培養

工程3:生細胞密度・生存率のモニタリング

生細胞数と生存率を日々追い、フィード量や回収タイミングの判断材料とする基本測定。

基準法トリパンブルー色素排除法による自動生細胞密度・生存率測定

工程4:産生抗体力価(タイター)の測定

抗体生成量を定量し、培養の進み具合の評価と回収判断を左右する標準力価測定。

基準法プロテインAアフィニティHPLCによる力価定量

回収・清澄化(1工程)

工程5:清澄化(細胞・デブリの除去)

◇ 分岐

細胞・破片を除き精製にかけられる清澄液を作る。詰まりを防ぎ精製歩留まりを守る。

基準法連続遠心分離+デプスフィルター濾過による清澄化

灌流/プロセス強化(連続生産)では

灌流パーミエートを連続的にデプス/除粒子フィルター(場合により0.2µm)で清澄化

精製(8工程)

工程6:キャプチャー

◇ 分岐

Fcだけを掴むプロテインAで一度に純度を大きく上げる、抗体精製の心臓部となる捕捉工程。

基準法プロテインAアフィニティクロマトグラフィー(bind-elute)

灌流/プロセス強化(連続生産)では

連続多カラム向流クロマト(PCC:周期的向流クロマトグラフィー/マルチカラム)でプロテインAを連続運転し、樹脂利用率と生産性を向上

工程8:中和・デプスろ過

低pH不活化プールは強酸性のままでは次工程に使えず、中和で生じる沈殿の除去が欠かせません。

基準法塩基(Tris/水酸化ナトリウム)添加によるpH5〜7への中和後、デプスフィルター濾過で沈殿・濁りを除去

工程11:ナノろ過による物理的除去

サイズ排除で小型非エンベロープウイルスを物理除去し、低pH不活化と別の原理の安全工程。

基準法20nm級ウイルス除去フィルターによるナノ濾過

工程13:原薬の最終ろ過と凍結バッグへの充填・保存

原薬を凍結保存する前に0.2µmで最終ろ過し、生菌数を落として凍結バッグへ充填する工程。

基準法0.2µm除菌グレードフィルターによる最終ろ過(バイオバーデン低減)→ シングルユース凍結バッグへ充填し凍結保存

製剤・充填(2工程)

工程14:最終製剤化(賦形剤配合)

UF/DF後の原薬は賦形剤が未配合で、安定性を確保するには製剤化配合が欠かせません。

基準法賦形剤ストック溶液の配合により最終濃度・組成へ調整(ポリソルベート、糖/アミノ酸安定化剤、緩衝剤)

工程15:除菌ろ過と無菌充填(最終ろ過)

0.2µm除菌濾過と無菌充填で患者投与の最終形態を作る、汚染が許されない工程。

基準法0.2µm除菌濾過+無菌充填(バイアル/プレフィルドシリンジ)

品質特性・分析(8工程)

工程16:凝集体・断片の定量

免疫原性リスクとなる凝集体や断片の割合を測り厳しく管理する重要なCQA定量。

基準法サイズ排除クロマトグラフィー(SEC-HPLC/UHPLC)

工程18:電荷バリアントの評価

脱アミドやC末端リジン等の電荷バリアントを分け、一貫性と安定性を管理するCQA評価。

基準法イメージドキャピラリー等電点電気泳動(icIEF)

工程19:N型糖鎖プロファイリング

エフェクター活性とPKを左右するFc糖鎖の種類・比率を測り糖形を管理する工程。

基準法PNGase F遊離→蛍光標識→HILIC-UPLC-FLR(必要に応じMS連結)

工程22:エンドトキシン試験

注射用バイオ医薬品は内毒素規格への適合が必須で、放出試験として広く使われています。

基準法動態比色/比濁LAL(リムルスアメーバ様細胞ライセート)法による細菌内毒素定量

公開情報にもとづく一般的な整理です。実際の構成は条件により異なります。